ジャガイモやサツマイモなどの芋類は食物繊維が豊富であることから、昔から健康食とされてきましたが、抗がん食品としても大変優れた食材です。今回はじゃがいもの栄養成分について紹介いたします。
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じゃがいもに含まれる栄養成分
ジャガイモの成分と効用
栄養成分 | はたらき |
ビタミンB1 | 神経の働きを整える |
ビタミンC | がんの予防 |
抗酸化作用 | |
ビタミンE | がんの予防 |
抗酸化作用 | |
フィチン酸 | がんの予防 |
カリウム | 血圧を下げる |
食物繊維 | 便秘の予防・改善 |
がんの予防 | |
クロロゲン酸 | 抗酸化作用 |
がんの予防 |
ジャガイモ80g中の主な栄養成分
※常用料80g=中1/2個の栄養成分値
栄養成分 | 含有量 |
ビタミンC | 28mg |
カリウム | 328mg |
食物繊維 | 1.04g |
サツマイモに比べると抗がん成分は少なめですが、低エネルギー(サツマイモの60%以下)で、しかも淡白な味なので、様々な料理に用いやすいという利点があります。
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じゃがいもに含まれる栄養成分の効能
ビタミンC・E
抗酸化作用でがんの発生を防ぐ
体内に発生した活性酸素は、正常な細胞を傷害(酸化)することによって、がん細胞を生み出してしまいます。
ビタミンCには、この活性酸素による細胞の酸化を防ぐ作用があり、発がんを抑制する働きのあることがわかっています。活性酸素の攻撃を、ビタミンCは自らが身代わりとなって引き受け、細胞に及ぶ害を防いでくれるのです。
ジャガイモ(とサツマイモ)にはこのビタミンCも多く含まれています。ビタミンCは熱に弱いことから、緑黄色野菜に含まれるビタミンCは調理の過程でかなり破壊されてしまいます。その点、緑黄色野菜に比べると含有量こそ少ないものの、デンプン質に保護されているため、加熱調理をしても損失が少ないのです。
そのほか、抗酸化作用を持つビタミンEも微量ながら含んでいます。
フィチン酸
微量成分だが高い抗がん作用がある
ジャガイモ(とサツマイモ)に含まれている抗がん成分としては、フィチン酸も忘れてはいけません。
普通、鉄や銅などの金属が体内に取り込まれると、体内のいろいろな物質と結びついて安定し、無害な存在となります。ところが結合する相手がいないと、フリーラジカル(他の物質から強引に電子を奪う存在)として働き、細胞の酸化が連鎖的に進んでしまうことがあります。つまり、がんの発生につながるということです。フィチン酸には、金属がフリーラジカルになるのを抑える働きがあるのです。
クロロゲン酸
がんの発生を抑える
じゃがいもには、細胞の突然変異を予防するクロロゲン酸(ポリフェノールの一つ)が豊富なことも知られています。特に皮に多く含まれています。
がんは細胞中の遺伝子に突然変異が起こり、これに発がん物質が加わると発生するわけですから、第一段階の突然変異を防ぐことは重要な意味があります。
かつてアメリカで行なわれた実験でも、ジャガイモの皮に抗酸化作用があることが確かめられています。
ジャガイモの抗がん作用を活かす効果的なおすすめレシピ
肉じゃがをはじめ多彩な料理に
じゃがいもは100g食べても84kcal(ご飯半分と同程度のエネルギー)という低エネルギー食品です。加熱してもビタミンCが壊れにくいので、煮物・炒め物・スープなど、どんな料理にも利用できます。
中でも、肉・にんじん・タマネギなどと一緒に煮込む肉ジャガはおすすめです。人参にも、タマネギにも、抗酸化成分が豊富に含まれているので、抗酸化作用が更にグレードアップするからです。逆に、フライドポテトはあまりオススメできません。油で揚げると脂肪率がアップして、肥満につながるので、なるべく避けたほうがよいでしょう。
また、じゃがいもは皮ごと食べたほうが防がん効力が高まります。さらにビタミンCを効率よく摂取することができ、ジャガイモ本来の風味も楽しめます。
胃・十二指腸潰瘍の薬にもなる
民間療法では、じゃがいもには粘膜の保護・強化作用があると考えられています。そのため、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の治療には、生のジャガイモを絞って飲んだり、黒焼きにして食べると効果的と言われています。
また、生のジャガイモの絞り汁を飲んだり、患部にジャガイモの煮汁を塗布すると、痛風・リウマチ・捻挫・打ち身・腰痛などの痛みが和らぐと言われています。
ジャガイモの黒焼き
じゃがいもの皮をむいて、芽を包丁でえぐり取ってから、厚さ1cmに切ります。これを焼き網に並べて、表面が真っ黒になるまで焼けば出来上がり。冷蔵庫に保存して、1日に2〜3枚ずつ食べると、胃潰瘍などに効くとされています。
まとめ
今回はジャガイモの栄養成分や健康効果について解説いたしました。肉じゃが、カレー、シチューなど、おなじみの料理で使われる身近な食材であるじゃがいもですが、抗がん作用も含んでいますので、ますます意識的に摂っていきたいものですね。
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