おもに頭部への損傷によって起こる、硬膜下に血が溜まる病気が急性硬膜下血腫です。事故などの際に負った頭部の外傷が引き金になるため、病気に分類はされますが、怪我に近いイメージを持たれる方もいるかも知れません。
今回は急性硬膜下血腫について解説いたします。
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急性硬膜下血腫の症状とは?
急性硬膜下血腫とは、脳と硬膜に渡る静脈の断裂などによって、脳の表面(硬膜下)に血液が溜まる病気です。ほとんどの場合が交通事故や、スポーツ中の事故などによる頭部外傷が原因となって起こります。脳の損傷が大きくない場合や高齢者の場合は、時間経過とともに徐々に症状が現れることもあります。抗凝固剤を服用している場合には注意が必要です。
転倒や家具に頭をぶつけたなどの事故後に、頭痛、軽い麻痺、けいれん発作、言語障害などの症状が現れたら、早めに受診し検査を行いましょう。
【症状】
- 意識障害(次第に悪化し、昏睡状態になる)
- 激しい頭痛
- 瞳孔不動:瞳孔の大きさに差が出る
- 嘔吐
【原因】
- 頭部外傷(転倒や交通事故、スポーツ、虐待などによる頭部への損傷)
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急性硬膜下血腫はどのような治療を行うのか?
急性硬膜下血腫の基本的な治療は手術になります。局所麻酔で頭蓋骨に開けた小さな穴から血腫を吸引する「血腫吸引術」が行なわれます。手術が行えない場合や術後に、漢方薬による薬物療法が行われることもあります。早期発見、早期治療により完治できます。
急性硬膜下血腫はどのような後遺症が残るのか?
急性硬膜下血腫は早期発見と早期治療により完治できる病気ですが、脳挫傷や外傷、くも膜下出血を併発している例では予後は悪くなります。
受傷当日に意識障害がなくても、いったん意識障害が発現すると、急速に悪化することが多く、その場合の予後は極めて不良で、多くの場合、高次脳機能障害が残ります。高次脳機能障害をはじめとする生活障害に対してはリハビリテーションを行います。転倒予防、事故の再発防止のため住宅整備なども行います。
まとめ
今回は急性硬膜下血腫について解説いたしました。頭部への衝撃を受けるような出来事があったときには、仮にその場で頭痛や意識障害が現れなくても、万が一の事態を疑って、すぐに病院で診察を受けるようにしましょう。
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