中国原産の伝七人参と言う人参をご存知でしょうか?日本人にはあまり馴染みのないニンジンですが、近年では高い抗がん作用が注目されています。今回は伝七人参について解説いたします。
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伝七人参とは?
伝七人参とは、中国雲南省付近の特殊な土壌にしか生息しない薬用ニンジンの根の部分の呼び方です。
田七人参のすぐれた薬効としては、まず慢性肝炎の特効薬である「片仔廣」(へんしこう)という漢方薬の成分であることが挙げられます。そのほかにも心臓病の薬としてもよく用いられています。
さらに止血作用、血液循環改善作用、鎮痛作用など多くの効用があることから、リウマチや冷え症、高血圧、糖尿病などさまざまな病気に効果があるといわれています。
がん予防に有効とされる成分は、サポニンと有機ゲルマニウム、アセチレン化合物です。
伝七人参の健康効果とは?
1990年代、京都薬科大学の木島孝夫助教授が行なった実験では、マウスの背中に皮膚がんの発がん物質を塗り、田七人参エキスによる発がんの抑制が調べられました。
発がん物質だけを塗ったマウスと、発がん物質を塗った後に田七人参エキスを塗ったマウスを比較すると、前者のマウスにはすべて10個以上の腫瘍が発生しましたが、伝七人参エキスを塗ったマウスには発がんが30%しか見られませんでした。
この実験は肝臓がんと肺がんについても行なわれましたが、こちらでも発がんが抑えられました。
抗がん成分がさらに詳しく分析され、サポニンは免疫力の増強によって抗がん作用を示すことが明らかになりました。有機ゲルマニウムは、体内のウイルス感染を防ぐインターフェロン(細胞が産生するたんぱく質)を誘発する物質ですが、その作用によって抗がん作用を示すと報告されています。また、アセチレン化合物は、腫瘍に対して強力な抑制作用を持つことがわかりました。
伝七人参の抗がん成分
- サポニン
- 有機ゲルマニウム
- アセチレン化合物
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伝七人参と朝鮮人参の効能の違いとは?
伝七人参以上に健康食材として知られている人参といえば朝鮮人参(高麗人参)ではないでしょうか?漢方薬などに使用され、近年では抗がん作用があることで、再び脚光を浴びています。ちなみに田七人参と朝鮮人参は同種の人参です。
そこで気になるのが、どちらのほうが抗がん作用が強いのかということです。抗がん成分のサポニンの含有量を比べてみましょう。
朝鮮人参のサポニン含有量は全体の0.3〜3%です。一方、伝七人参は全体の7〜12%も占めるのです。サポニンに関しては、田七人参に軍配が上がりそうです。ただし、抗がん作用としては、サポニン以外の成分の関与も考えられ流ため、サポニンの含有量だけで田七人参が朝鮮人参よりも抗がん作用が優れているとは言えません。
どちらも、近年になって抗がん作用についての研究が始められたばかりです。今後の研究によって、違う成分やすぐれた抗がん作用が発見される可能性があります。その研究結果が注目されます。
まとめ
今回は伝七人参の抗がん作用などについて解説いたしました。朝鮮人参並みに、あるいはそれ以上に高い抗がん作用が期待されている注目の食材(生薬)ですので、サプリメントの成分等で目にする機会があった時には服用してみてはいかがでしょうか?
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