生まれたての赤ちゃんは、鼻の穴が狭くできており、その上、粘膜が敏感で分泌物も多いため鼻づまりを起こしたり、くしゃみをしたり、のどをゼロゼロさせたりしやすくなっています。ちょっとした温度や湿度の変化にも敏感に反応してしまうほど、赤ちゃんの鼻は非常にデリケートな器官なのです。今回はそんな赤ちゃんの鼻水や鼻づまりの対処方法を紹介いたします。
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赤ちゃんの鼻水が止まらないなどの困った症状の時の対処法
生後1ヶ月くらいまでは、大きないびきのような音をたてて寝たり、ミルクを飲む時に鼻を鳴らしたりということも珍しくありませんが、成長するにしたがって、粘膜も強くなってきますので、こうした鼻の音は心配する必要はありません。
くしゃみや鼻水が出やすいのは、朝夕の温度の変わり目や、冷たい空気に触れたりした時などで、暖かい日中は治まっています。
咳や鼻水、鼻づまり、くしゃみなどをすると、すぐに風邪をひいたのではと心配するお母さんがいますが、食欲があり、顔色や機嫌もよく、熱や下痢などの症状がない限り大丈夫です。
ただ、熱はなくても咳がひどい、鼻水がとまらないなどの症状であれば、風邪やほかの病気の可能性もあります。様子を見て、必要なら診察を受けるようにしましょう。
水っぽい鼻水が出る場合
■熱はなく、顔色もよく、元気で食欲もある場合は
- かぜの初期症状
- アレルギー性鼻炎
の疑いがあります。家で様子を見ましょう。
■熱はなく、目やにが出たり、涙目になっていたり、目をかゆそうにしている場合は
- 花粉症
- アレルギー
の疑いがあります。小児科で診てもらいましょう。
■熱はなく、耳だれが出たり、耳のまわりをさわると痛がる場合は
- 急性化膿性中耳炎
の疑いがあります。なるべく早く耳鼻科へ行きましょう。
■熱があり、咳が出て、食欲がなく機嫌も悪い場合は
- 風邪
の疑いがあります。小児科を受診しましょう。
■熱があり、だんだん膿のような鼻水になり、いびきもかき、夜苦しそうな場合は
- 鼻風邪
の疑いがあります。耳鼻科を受診しましょう。
鼻づまりがある場合
■いつも鼻をつまらせ、口をあけて呼吸をしたり、いびきをかいて眠る場合は
- アデノイド肥大
- 鼻の病気
の疑いがあります。耳鼻科を受診しましょう。
■黄色や緑色がかった膿のような鼻汁が出て、鼻の入り口がただれる場合は
- 急性の副鼻腔炎
の疑いがあります。小児科か耳鼻科を受診しましょう。
■いびきや咳、痰、鼻水などが1週間近く続く場合は
- 慢性の副鼻腔炎
の疑いがあります。耳鼻科を受診しましょう。
■急にひどいいびきをかくようになり、鼻づまりがひどく、口を開けて呼吸している場合は
- 鼻の奥に何か詰まっている
疑いがあります。耳鼻科を受診しましょう。
心配な鼻水・鼻づまり
次のような場合は医師の診察を受けましょう
なるべく早く病院へ
- 耳だれが出たり、耳のまわりをさわると痛がるときは耳鼻科で受診を。
- 急にひどいいびきをかくようになり、鼻づまりがひどく、口を開けて呼吸している。
翌日、診察時間内に病院へ
- 38度以上の熱があり、元気がなく、あやしても笑わないとき。咳をする、食欲がない、下痢をしているなど風邪の典型的な症状が出ている。
- 1週間近くも鼻水が続く。
- 透明ではなく、黄色や緑色がかった鼻水が出る。
- 鼻づまりがひどく、飲んだり食べたりするときに苦しそうにしている。
- 目やにが出たり、涙目になっていたり、目がかゆそうにしていたりする。
診察は、鼻水・鼻づまり以外の症状がなければ耳鼻科へ、それ以外の症状をともなう時にはまず小児科へ行くようにしましょう。
注意したい赤ちゃんの様子
顔色や食欲などの他に、次のことを見てみましょう。
- ぐずぐずしたり、不機嫌な様子はないか。
- 眠っている時、熟睡しているか。
- 鼻の奥に何か詰まっている様子はないか。
- 熱が出たり、下痢をしていないか。
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赤ちゃんが鼻づまりで寝れないなどの困った時の対処法
心配のない鼻水・鼻づまり
次のような場合はまず心配はいりません。
- 新生児で眠っていていびきをかく
生まれて間もない赤ちゃんは、鼻づまりしやすいので、いびきのような音をたてることがありますが、授乳の時にひどく息苦しそうにしていなければ、しばらく様子を見てみましょう。
- 鼻水以外に症状がなく、くしゃみや軽い咳はあるものの、顔色もよく、食欲もあり、機嫌も悪くないようなとき。
これは軽い風邪の症状と考えられます。部屋の温度に注意して、家で様子を見ましよう。
鼻水・鼻づまりの際の看病の仕方
温かい飲みものは湯気で鼻の通りがよくなる
鼻がつまっていたりすると、頭もボーッとなりますし、気分もスッキリしません。赤ちゃんの機嫌も悪く、ぐったりすることも多くなります。
鼻の通りをよくするには、温かい飲みものや温かい汁気の多い食事が効果的です。湯気によって鼻腔を潤す効果で、一時的にですがかなり呼吸が楽になります。
また、風邪の初期症状という時は、離乳食などは消化の良い栄養の豊富なものを与えるように心がけましょう。
空気の乾燥に気をつける
くしゃみや鼻水がひんばんに出るようなら、風邪のひきはじめの可能性があります。赤ちゃんを暖かくしてあげるのと同時に、冬期などは空気の乾燥に十分注意しましょう。
鼻がつまっていると、口を開けて息をしたりするので、ただでさえ粘膜が乾燥しがちです。適当な湿度(60%程度)になるよう注意してください。
鼻の下のカサつきのケアを
鼻水が出ればガーゼでそっと拭いてやりますが、回数が重なると鼻の下の肌がガサガサして赤くなってきたり、ひびわ割れたりします。ときどきは、湿らせたガーゼかカット綿で鼻のまわりをふき、そのあとにワセリンや軟膏を薄く塗っておくとよいでしょう。
お風呂も手早くならかえって効果的
風邪かもしれないと思っても、高熱や下痢がなく機嫌もよいようなら、お風呂に入れても構いません。もちろん入浴後は、冷えたりしないよう十分注意が必要です。
鼻づまりのときは、入浴して湯気にあたると鼻の通りがよくなり、赤ちゃんも気持ちよく寝つけるでしよう。
赤ちゃんの鼻水の吸引方法 寝てる時や嫌がる場合にもできるの?
鼻水・鼻づまりの手当てのしかた
むかしのお母さんは、口でそっと赤ちゃんの鼻水を吸い取ってあげたりもしました。もちろんそれでも構いませんし、市販の鼻水吸い取り器を使う方法もあります。その場合は、強く吸い取り過ぎないよう(強く吸い取ると耳がジーンとなります)ゆっくりやってあげましょう。
鼻づまりを手当てするには、お風呂あがりか、もしくは蒸しタオルを赤ちゃんの鼻や口に軽く当て、鼻の粘膜を湿らせてからやると、赤ちゃんも息が通って楽になるでしょう。
- まず、鼻くそをやわらかくします。赤ちゃん用の綿棒にベビーオイルかオリーブオイルをつけ、綿棒をゆっくりそっとまわすようにします。奥までさしこみ過ぎたりしないよう、赤ちゃんの頭を固定してやりましょう。
- やわらかくなったら、新しい綿棒で鼻くそをかき出すようにします。
まとめ
今回は赤ちゃんの鼻水や鼻づまりの症状への対処の仕方を紹介いたしました。心配する必要がないケースもありますが、耳鼻科や小児科への受診が必要な場合もありますので、症状をよく見極めて適切に対処しましょう。親御さんだけでは判断が困難な場合はかかりつけ医などに早めに相談をしましょう。
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