赤ちゃんのアレルギー反応が心配な親御さん、またはすでにアレルギー反応がある赤ちゃんがいらっしゃる親御さん、育児をしていく中でこの「アレルギー」は大きな悩みの一つなのではないでしょうか?今回は赤ちゃんのアレルギーについて改めて基礎から学んでいきましょう。
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赤ちゃんのアレルギーの基礎知識
アレルギーとは?
アレルギーとは簡単に説明すると、自分のからだに合わないもの、不利に働くものがあった時に、刺激を受けておこる反応のことを言います。このアレルギーというのは、かなり体質の影響があり、生まれつきの体質、または両親の体質の遺伝などが多いと考えられています。そのため家族にアレルギー体質の人がいると、ひどく心配するお母さんもいますが、両親のどちらも小児ぜんそくだったのに、赤ちゃんは何ともないというケースもありますので、あまり神経質になり過ぎず様子を見るようにしましょう。
赤ちゃんがアレルギーと診断されたら
せきやゼロゼロが多い、アレルギー体質と診断された、アトピー性皮膚炎がある、などの赤ちゃんには、次のことに注意してください。
日当たりと風通しのよい部屋を
赤ちゃんの部屋は、いつもお日様がいっぱいで、さわやかな空気にしておきたいものですね。ダニなどの繁殖を防ぐためにも、換気には十分に気を配りましょう。また、床は、畳の上にカーペットを敷いたのではダニが出やすく、ほこりもたまりやすいので、できれば畳だけにするか、フローリングの部屋を用意してあげましょう。
細かいところも掃除はまめに
部屋のすみ、障子や窓のさんなど、ほこりのたまりやすいところに注意しましょう。エアコンのフィルターも、ほこりやカビがつきやすいので、シーズンごとに水洗いしたり、使い始めの1〜2時間は、窓を開け放っておきます。また、加湿器内の水にカビがはえていることもあります。ほこりは見えにくいものですが、毎日たまっていきますので掃除機がけも毎日行なうようにしましょう。掃除のときと、その後30分ほどは、赤ちゃんは必ず別室で過ごさせましょう。
花粉の時期は洗濯物は室内に干す
春の花粉が舞い飛ぶ季節は、洗濯物は室内に干すようにします。布団などは、外に干しても、最後によく花粉をはたくようにし、掃除機をかけて表面の花粉を取り払いましょう。
ペットは室内で飼わない
動物の毛や鳥の羽根などが原因でアレルギーになることもあります。ペットを室内で飼うのは、赤ちゃんがもう少し大きくなるまで見合わせるようにしましょう。
衣類は木綿などの天然素材を
赤ちゃんのからだに直接ふれる衣類や寝具類は、できるだけ刺激の少ないものを選ぶようにしましょう。木綿素材なら安心です。また、洗濯のときすすぎはしっかりと行なってください。柔軟剤、漂白剤などは使用を控えましょう。
母乳は赤ちゃんを守ってくれる
お母さんの体調の許す限り、赤ちゃんは母乳で育てるようにしましょう。母乳には、ミルクと違った様々な働きをする要素が含まれていますが、そのひとつに、赤ちゃんの腸がアレルギーを吸収しないよう守る働きをしてくれるものがあるのです。
離乳食はゆっくり始めて
離乳を早く進めれば赤ちゃんが早く成長するという認識は誤りです。特に、アレルギー体質が疑われるような赤ちゃんの場合、離乳は6ヶ月以降くらいから、ゆっくり進めたほうがよいでしょう。アトピー性皮膚炎などは、多くの場合、離乳食を始めてからあとの食べ物のアレルギーが引き金になっていることも事実です。
あまり神経質にならない
赤ちゃんの消化機能はまだ完成されていませんから、食べ物によるアレルギーを起こしやすくなっています。中でも、卵や牛乳は最もアレルギーを起こしやすいものの一つとされていますが、アレルギーだとわかっていないうちから、むやみに控えるのも好ましくありません。鶏卵や牛乳は赤ちゃんにとって大切なたんぱく源でもありますから、あまり神経質にならないようにしましょう。
風邪などと違って、アレルギーの場合は厚着させたり、室内でばかり遊ばせるという必要はありません。皮膚を強くすれば病気全般にも強くなりますし、特にぜんそくの予防にもなります。赤ちゃんにアレルギー症状が出て、アレルギーと診断されれば長く付き合っていく心構えも必要です。あせっても仕方がないことですし、神経質になり過ぎると、赤ちゃんにもそれが伝わり、あまりよい影響を与えません。
アレルギーの赤ちゃんの育児には、日常的な注意がいろいろ必要ですが、赤ちゃんを完全にアレルギーの原因となるものから遠ざけることは、まず不可能です。できるだけの注意をはらうとしても、赤ちゃんをのびのびと元気よく育てることが最優先という気持ちで対応していきましょう。
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赤ちゃんのアレルギーにはどんな症状があるのか?
アレルギーからおきる症状はいろいろありますが、
- アトピー性皮膚炎
- ぜんそく
- アレルギー性鼻炎
の3つが「3大アレルギー病」といわれています。この中でとくに赤ちゃんに多いのが、アトピー性皮膚炎です。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎の症状は、早い子では生後まもなくから、ふつうは3〜6ヶ月頃から現れてきます。顔や頭、のどのくびれたところ、おなか、ひじやひざの関節のところなどに湿疹が出て、かゆみをともないます。湿疹の出かたはいろいろで、カサカサのものもあればジクジクしたもの、ポツポツと赤いものなどもあります。いずれも一度出始めると、しつこくて、なかなか消えません。ただし、赤ちゃんの肌はデリケートで、湿疹などができやすいものですから、湿疹が出たらすぐにアトピーと思い込まず、まずは医師にみせ正しい診断を仰ぎましょう。
気管支ぜんそく
ぜんそくは、気管支がアレルギー反応をおこすために、粘膜がはれて痰(たん)が出て、呼吸が苦しくなっておこります。次のような症状が現れたときは病院へ連れて行きましょう。
- 咳がとまらず、のどがヒューヒュー、ゼイゼイして、ひどくなると呼吸困難の発作がおきる。
- 息をはく時間が普段より長くなり、うめき声をあげる。
- 発作を起こさないが、ヒューヒューとなる咳が出る。
ぜんそくによく似た症状の「ぜんそく様気管支炎」という疾患もありますが、これはそのうちに治ってしまうこともあれば、真性のぜんそくになってしまうこともあります。素人では判断ができませんので必ず病院で診てらいましょう。
アレルギー性鼻炎
赤ちゃんのアレルギー性鼻炎は、それだけで現れることはなく、多くは気管支ぜんそくと一緒に起こり、次のような症状が見られます。
- 鼻水、鼻づまりがひどい。鼻水は水っぽい
- 鼻がつまっておっばいが飲めない
以上の症状だけでアレルギー性鼻炎とは決められませんが、頻繁に起こるようなら病院に連れて行きましょう。
食物アレルギー
ある種の食べ物を食べた時に拒否反応がおこることを「食物アレルギー」といいます。生後すぐにミルクを吐いたり、下痢をしたりを繰り返す場合はミルクアレルギーが考えられます。
離乳食が始まって、卵を食べさせられたときに戻したり、下痢をしたりということがありますが、赤ちゃんは、アレルギーではなくても嘔吐、下痢をすることがよくあるので、診察を受けるようにしましょう。その際「何を食べたときに吐いたか、下痢をしたか」「おっぱいをどのくらい飲んだか」について記録しておくと原因がつきとめやすいでしょう。
赤ちゃんのアレルギーの原因はナニ?
アレルギーをひき起こす原因(アレルゲン)はいろいろあって、食べ物、ほこり、ダニ、植物の花粉、たばこの煙、ペットの毛や衣類の繊維などが代表格ですが、お母さんが勝手に判断せず、医師と相談しながら赤ちゃんのアレルゲンを取り除いてあげるようにしましょう。
アトピー性皮膚炎の対処法
アトピー性皮膚炎と診断された場合は、何がアレルギーの原因かをつきとめ今後に備えます。検査の結果、卵が原因とわかれば卵料理は少なくするなど、工夫をしてあげましょう。
引っ掻いてしまうと患部がひどくなるので、赤ちゃんの爪はいつもきちんと切っておきます。塗り薬を処方してもらうことも必要です。
普通、多くのアトピー性皮膚炎は2歳半〜3歳くらいまでに治ってしまいますが、最近は大きくなるまで治らない子がいたり、その後ぜんそくに移行する症例も多いので、食べ物ばかりでなく、環境面にも常に気を配るようにしましょう。
気管支ぜんそくの対処法
咳やゼロゼロがひどくなったり、発作が起きたときには、水を飲ませ、上体を起こして楽な姿勢にしてやります。発作がおさまらないときは、急いで病院に連れて行きます。
気管支ぜんそくは、ひどいものでもほとんどの場合、中学校を卒業するまでくらいに治ってしまいます。
アレルギー性鼻炎の対処法
アレルギー性鼻炎のアレルゲンは、家の中のほこり(ハウスダスト)や埃の中のダニが大部分ですので、まめに掃除をすることが大切です。
食物アレルギーの対処法
食物アレルギーの対処は、原因(アレルゲン)となる食べ物を与えないことに尽きます。赤ちゃんのアレルゲンを正しく把握しましょう。
アレルギーの原因(アレルゲン)となるもの食べ物
卵・牛乳・小麦・大豆・米・そば・魚類・甲殻類・ピーナッツ・果物・野菜など。
まとめ
今回は赤ちゃんのアレルギーの基礎知識について紹介いたしました。アレルギーの種類も症状の現れ方も、赤ちゃんによって様々かと思いますが、アレルゲンをしっかり把握して、健やかに赤ちゃんが育っていけるように快適な生活の環境を整えてあげましょう。
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