あさりは日本では北海道から九州まで広く分布する貝です。特に大平洋側に多く、日本海側は少ない傾向にあります。「漁る」(あさる)という言葉は、アサリのような浅瀬にすむ貝や魚を獲る行為から生まれた言葉といわれており「漁る」が転じて「あさり」になったとする説が有力と考えられています。今回は身近な貝である「あさり」について解説いたします。
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あさりに含まれる栄養成分と健康効果
成分(可食部100gあたり)
- エネルギー:30kcal
- 水分:90.3g
- タンパク質:6g
- 脂質:0.3g
- 炭水化物:0.4g
- 鉄:3.8mg
- マグネシウム:100mg
- 亜鉛:1mg
- ビタミンB12:52.4μg
- コレステロール:40mg
あさりには貧血予防に効果的な鉄、味覚を正常に保つ亜鉛、肝機能を高めて二日酔いの解消に効くタウリンなどが豊富に含まれています。
ビタミンB12と鉄は、赤血球の成分となって貧血を予防します。また、利尿を促して体の余分な水分を取るため、お酒を飲み過ぎてむくんだ時などに最適。油やお酒の摂り過ぎで胃に負担がかかった時に、それを改善する働きもあります。
気持ちを落ち着かせる作用もあり、タウリン(アミノ酸の一種)が豊富なので高血圧の改善、血栓予防にも役立ちます。ビタミンB1を壊す酵素が含まれていますが、加熱すれば酵素の働きが止まります。
胃もたれ、口内炎、イライラ、めまい、耳鳴り(梅雨時や台風の頃)、下半身のむくみ、生理前のむくみ、貧血症状、高血圧などに効果が期待できます。
ビタミンB12のほか、ミネラルも多種類含まれており、特に貝類の中ではマグネシウムの含有率がしじみの10倍もあり飛び抜けています。マクネシウムは骨の形成と血圧調整に働くほか、糖質と脂肪の燃焼を助けて、痩せやすい体質にする作用があると言われています。
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あさりの旬の時期はいつ?
あさりは、淡水が流れ込む内湾や干潟に生息し、春先と秋口に旬を迎えます。行楽シーズンには潮干狩りなどでなじみ深い貝の代表格のような存在ですが、最近では輸入ものがかなり増えています。一般的には旬の時期は
- 3月〜4月
- 9月〜10月
頃と言われています。
あさりのおすすめレシピ
あさりは有機酸の一種であるコハク酸が豊富で、これが煮汁に染み出る旨みの素です。浅蜊でとった出汁は味わい深いことはもちろん、二日酔いに効果があることも知られています。生食はせず、酒蒸しなど加熱調理して食すのが一般的です。
選び方のポイント
- 貝の紋様が鮮やかで表面にぬめりがある。
- 貝の口がしっかり閉じている。
砂抜きの方法
貝類の砂抜きの砂というと、貝そのものが体内に吸い込んだ砂を吐き出させる作業だと勘違いしている方が多いのですが、貝の身が砂を吸い込んでいるのではなく、砂は殻と身の間に入り込んでいる状態なのです。この砂を殻から出させるには、3%程度の食塩水とアサリを入れ、新聞紙などをかぶせて暗くした状態で3時間程度おいてください。
砂抜きの後、やはり3%程度の塩水につけて冷蔵庫に入れれば1〜2日は保存可能です。殻ごと冷凍保存することもできます。冷凍の場合は約1ヶ月が賞味期限です。また、調理の際は解凍せず直接使用しましょう。
汁ものにすれば溶け出した栄養分もそのまま飲める
アサリやシジミには、肝機能を高める効果が期待されるタウリンが豊富に含まれています。酒蒸しなどにすれば栄養素を丸ごと飲み干せます。疲労回復には味噌との組み合わせ、つまり定番の味噌汁がおすすめです。アサリに含まれるタウリンが肝臓の機能を高め、味噌のビタミンB群が疲れを取り、疲労回復効果が期待できます。
小松菜やしめじとの炒め物
小松菜やしめじとの炒め物もおすすめです。あさりと小松菜の豊富なカルシウムがイライラ解消に効果的な上、ビタミンDを含むしめじを加えることでカルシウムの吸収率がアップします。
ボンゴレビアンコ
あさりのパスタ「ボンゴレビアンコ」もおすすめです。ニンニク・白ワイン・オリーブオイル・あさりを先に炒めたあと、アサリに火が通り過ぎないように、あさりをいったんフライパンから取り出し、少しだけ短めに茹でたパスタとあとで混ぜるのが美味しく作るコツです。
一緒に摂ると効果的な食材
あさりは鉄分が多いため、ビタミンCを含む食べ物と一緒に食べると吸収率がアップし、健康効果を高めることができます。殻にはナトリウムやカリウムなどのミネラルが豊富なので、殻ごと料理するのがおすすめです。
- ブロッコリー
- ほうれん草
- イチゴ
などと一緒に食べれば、ビタミンCがビタミンB12と鉄の働きを高め、貧血の予防効果を向上させます。疲労回復や、胃酸を中和して胃の痛みと胸やけを和らげる効果もあります。血を補い、精神を安定させるため、イライラ解消にも効果的です。
まとめ
今回はあさりの栄養成分や健康効果について解説いたしました。二日酔いの特効薬としてはもちろん、イライラ、めまい、むくみなどにも効果が期待できますので、それらの諸症状でつらい時はアサリの味噌汁などを積極的に摂るようにしてみてください。
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