ヨーグルトの栄養成分や健康効果と効率的な食べ方

牛乳を乳酸菌で発酵させたヨーグルトは、牛乳と同じく良質のたんぱく質やカルシウムをはじめ、人間に必要な栄養素をバランスよく含んだ栄養価の高い食品です。

特に忘れてはならないのが「乳酸菌」の存在。人間の腸内には常時100種類、100兆個もの腸内細菌がすみついています。この中には、健康維持に役立つ善玉菌と、体にとって有害な悪玉菌とがあります。ヨーグルトに含まれる乳酸菌には、善玉菌をふやして、悪玉菌を減らす作用があるのです。これだけでもヨーグルトをとる価値は十分にありますが、近年ではヨーグルトに含まれる成分には、様々な抗がん作用もあることがわかってきています。

スポンサードリンク

ヨーグルトに含まれる栄養成分

ヨーグルトの成分と効用

栄養成分 はたらき
乳酸菌 がんの予防
コレステロールを下げる
下痢・便秘を改善する
腸内の善玉菌を増やす
肝臓の機能を高める
たんぱく質 胃がんの発生を防ぐ
体の抵抗力をつける
カルシウム イライラ・ストレスを鎮める
骨を丈夫にする
 カリウム 血圧を下げる
β-カロテン 抗酸化作用
ビタミンB1 過酸化脂質の害を防ぐ

ヨーグルト100ml中の主な栄養成分
※常用量100ml=カップ1/2の栄養成分値

栄養成分 〇〇
カロテン 3μg(0.003mg)
たんぱく質 3.6g
カルシウム 120mg
 ビタミンB2 0.14mg
カリウム 170mg

ヨーグルトの抗がん成分は、ビフィズス菌、ブルガリア菌、アシドフィルス菌などの乳酸菌と、良質のたんぱく質、その他にビタミンB群も比較的多く含まれます。

乳酸菌には抗がんだけでなく、血中のコレステロール低下や、腸内の有毒物質を解毒して肝臓の働きを助ける作用もあります。

腸内にすむ細菌の種類

腸内細菌は、その働きによって乳酸菌と腐敗菌に分けることができます。乳酸菌は体の働きを助けて健康維持に役立つことから善玉菌、腐敗菌は逆に有害な働きをすることから悪玉菌と呼ばれます。

乳酸菌といえば、ビフィズス菌が最も有名ですが、ほかにも乳酸桿菌(にゅうさんかんきん)、連鎖球菌などの種類があります。これら乳酸菌は、悪玉菌の増殖を抑えて、腸内環境を整えます。さらに腸の働きを活発にして便秘を予防し、がんの予防にも働きます。近年、乳酸桿菌に属するアルビン菌が注目されています。
一方、腐敗菌は腸内でたんぱく質を分解して、発がん物質などの有害物質をつくり出します。これらの物質は悪臭があり、便やおならのにおいの原因にもなります。腐敗菌の代表的なものとしては、大腸菌やウェルシュ菌などが挙げられます。

スポンサードリンク

ヨーグルトに含まれる栄養成分の健康効果

たんばく質

胃の粘膜を発がん物質から守る

かつて日本人に最も多いがんといえば、胃がんでした。日本型の食事は塩分のとりすぎになりやすく、食塩は胃粘膜を保護するムチンを溶かしてしまう作用があるため、保護を失った胃壁は、発がん物質の攻撃をもろに受けやすいのです。

ところが、日本人の食生活が欧米化しはじめ、乳製品をたくさんとるようになった1955年ごろから、胃がんの発生率は下降線をたどりはじめました。これは塩分の摂取量が減ったこともありますが、牛乳やヨーグルトも大きく貢献していると考えられます。乳中のたんばく質は、胃に入るとアミノ酸や機能性ペプチドという物質に分解されます。これらには、胃粘膜を保護する作用があり、発がん物質の攻撃から胃を守ってくれるからです。

乳酸菌

大腸がんの予防が期待される

食生活の欧米化は、胃がんが減った反面、大腸がんをふやす結果となりました。昔ほど食物繊維をとらなくなり、肉類などの動物性脂肪をたくさんとるようになったことから、慢性的な便秘がふえ、大腸がんの発生率が急増しているのです。

便秘によって腸内に便が長くとどまると、悪玉菌による発がん物質の生成が活発になります。さらに、便中の発がん物質と腸壁との接触時間が長くなるので、それだけ発がんの危険性が高くなるのです。

また、動物性脂肪をたくさん摂取すると、これを消化吸収するために、小腸で胆汁酸がたくさん分泌されます。胆汁酸は大腸に入ると、悪玉菌によって二次胆汁酸という発がん物質に変わることから、やはり大腸がんの発生を促進します。

ヨーグルトには、こうした大腸癌の誘因を抑える作用もあります。ヨーグルトに含まれる乳酸菌には、善玉菌をふやして悪玉菌を減らすことで、発がん物質の生成を抑える働きがあるからです。

腸内細菌には、発がん物質や発がん促進物質をつくる細菌がいるといわれています。無菌動物などを使った実験では、乳酸菌は発がんを抑制することもわかってきています。また、ビフィズス菌は発がん関連酵素を減らすことも知られています。

このようにビフィズス菌などの乳酸菌は、腸内の環境を整えて、大腸がんを予防すると考えられています。

乳がんのリスクを下げる効果も

便秘は大腸がんだけでなく、乳がんの発生とも密接な関係があります。動物性脂肪から作られるコレステロールは、腸内細菌の働きでエストロゲンという女性ホルモンを作ります。そのため、動物性脂肪をとりすぎたり、腸内細菌のバランスが崩れると、エストロゲンの発生が過剰になって、ホルモンがアンバランスになり、乳がんが発生する危険性が高くなるのです。

現に、乳がんの患者は、排便回数が少ない人が多いという調査報告が出ています。また、アメリカの調査では、排便が週2回以下の女性は、乳がんに分化しやすい異常細胞をもっている人の割合が、毎日排便がある女性に比べて5倍も多いことが確認されています。便秘を解消するヨーグルトは、乳がん予防にも有効なのです。

がん細胞の発生、増殖を抑える

近年、ヨーグルトの乳酸菌には、新たな抗がん作用も見出されています。

がんは、細胞内の遺伝子が傷つき、細胞が突然変異を起こすことから始まります。この細胞を「突然変異細胞」といい、これを発がんイニシエーター(がん細胞の発生を促す物質)が刺激することで、がん細胞が誕生します。さらに発がんプロモーター(がん細胞の増殖を促す物質)の刺激で、がん細胞が増殖し、がんが発生するのです。

乳酸菌は、がんの発生過程に大きな影響を及ぼすことがわかりました。信州大学農学部の細野明義教授らの実験によって、乳酸菌には細胞が突然変異したり、突然変異した細胞が、がん化するのを抑制する働きがあることが明らかになったのです。

さらに乳酸菌には、体の免投力を高めて、がん細胞を退治するインターフェロンという物質をふやすほか、体内でがん細胞を殺すNK(ナチュラルキラー)細胞を活性化させることがわかりました。

つまり、乳酸菌はがん細胞の発生だけでなく、がん細胞の増殖を抑える効果もあり、あらゆるがん予防に有効ということです。

発がん物質を無毒にする

ビフィズス菌や乳酸桿菌などの乳酸菌は、ニトロソアミンなどの強力な発がん物質を分解して、無毒にする働きもあることがわかりました。便秘を改善して発がん物質の排泄を促進するだけでなく、発がん物質そのものの毒性を失わせる働きもあるのです。

便の状態で腸内細菌の様子がわかる

健康な状態であれば、腸内には善玉菌が多いのですが、老化や病気、あるいは疲労やストレスなどで体調が乱れていると、悪玉菌の割合が増えてきます。悪玉菌が優勢になると、腸内環境が乱れ、発がん物質の生成も高まるため、がんの危険性が増します。

そこで、ぜひおすすめしたいのが便のチェックです。便の色や形、においなどは、腸内細菌の様子を数えてくれるバロメーターになるからです。

健康的な便は、一般にバナナ状、または練り歯磨きのような半練り状をしています。色は食事内容によって変わることがありますが、通常は茶色系または緑色系。また、においもあまりしません。

このような便が出ていれば、腸内細菌の様子は良好と考えてよいでしょう。反対に、カチカチの便や下痢便だったり、においもきついような時は、悪玉菌が増殖している証拠。食生活を見直す必要があります。こんな場合は、善玉菌を増やすヨーグルトや食物繊維をとって、腸内環境を整えましょう。

ヨーグルトに含まれる栄養成分や抗がん作用を活かす食べ方

できれば加熱せず、生きた乳酸菌を摂る

スーパーなどに行くと、いろいろな種類のヨーグルトがずらりと並んでいて、目移りしてしまいますが、おすすめはプレーンタイプです。無糖なので、肥満のもととなる糖分のとりすぎを防げます。ただ、パッケージに「プレーン」と記してあっても、風味がプレーン(飾り気がない)という意味であって、実際には加糖のものも多いので注意します。購入する際は、成分表示の欄も確かめることが必要です。

ヨーグルトを食べるときは、オリゴ糖を加えると効果が一段とアップします。オリゴ糖はビフィズス菌のエサとなり、ビフィズス菌をふやす働きがあるからです。オリゴ糖は乳製品自体にも含まれていますが、バナナやハチミツにも入っているので、これらをヨーグルトに加えるとよいでしょう。食物繊維との組み合わせもおすすめです。食物繊維は便秘を改善し、善玉菌を増やして腸内環境を整える作用があるので同じ作用をもつヨーグルトと一緒にとれば、効果が倍増するからです。

一方、乳酸菌は高熱を加えると死んでしまうので注意してください。ヨーグルトでゼリーやババロアをつくるときは、煮溶かしたゼラチンや寒天を人肌の温度にまで下げてから、ヨーグルトを加えましょう。ただ、乳酸菌が死んでも、ヨーグルトにはそれ以外の効果もあるので、食べ損ということにはなりません。

適量は1日に400〜500ml

一度食べたからといって、効果がいつまでも持続するわけではありません。効果を得るには、毎日続けて食べることです。量としては、1日に400~500mlが理想です。これを実行に移すには、なるべく朝食後に摂るようにするとよいでしょう。外食の多い人も朝食は家でとることが多いので、習慣的に食べることができるからです。また、食後は胃酸が薄まるので、乳酸園の消失も少なくてすみます。

ヨーグルトの種類

現在市販されているヨーグルトは、大きく次の5タイプに分類することができます。
①プレーンヨーグルト
牛乳または、脱脂乳を乳酸菌で発酵させただけで、砂糖も何も入っていない最もシンプルなヨーグルト。
②ソフトヨーグルト
発酵して固まったヨーグルトをかき混ぜて、クリーム状にしたもの。口当たりが滑らかで、甘味料や果汁、果肉などが加えられています。
③ハードヨーグルト
寒天やゼラチンで固めたプリン状のヨーグルトで、甘味料や香料が加えられています。果肉や果汁入りも。
④ドリンクヨーグルト
飲むヨーグルトと言われるているもので、液状にしたヨーグルトに甘味料や果汁などが加えられています。
⑤フローズンヨーグルト
ヨーグルトを冷凍してアイスクリーク状にしたものです。

ちなみに「乳酸菌飲料」は、発酵乳を基にして糖液や香料を加えて作られますが、含まれている乳酸菌の数はヨーグルトの1/10です。ヨーグルトなら「はっ酵乳」と表示されているので、間違えないようにしましょう。

フルーツのヨーグルトサラダ

ヨーグルトにはビタミンCが含まれないので、ビタミンCを多く含む果物との組み合わせはおすすめ。また、すっぱいプレーンヨーグルトは、果物の甘みで食べやすくなる。

①使う果物はどれでもよいが、ビタミンCの多いイチゴやキウイフルーツ、オレンジ、グレープフルーツなどがよく合います。これらを食べやすい大きさに切ります。
②切って器に盛った果物に、プレーンヨーグルトをかければ完成です。

まとめ

今回はヨーグルトに含まれる栄養成分について解説いたしました。乳酸菌の健康効果は広く知られていますが、ガンの予防にも効果が見込めるということなら、これまで以上に意識的に摂っていきたいものですね。ぜひ、毎日の食生活にヨーグルトも加えてみてください。

スポンサードリンク