ワインに含まれる栄養成分と健康効果

ワインブームによって、今ではすっかり日本の食生活にもワインが定着してきました。というのは、ワインが健康によいということが広く世に知られるようになったからですが、そもそもワインブームを生むきっかけとなったのが、ワインに含まれる「ポリフェノール」という成分のおかげなのです。今回はそんなポリフェノールをたっぷり含むワインについて解説いたします。

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ワインに含まれる栄養成分

ワインの成分と効用

栄養成分 はたらき
ポリフェノール  がんの予防
心筋梗塞の予防
抗酸化作用
血管を広げる
血液が固まるのを防ぐ
 動脈硬化の予防
コレステロールを下げる
 アルコール 不眠を改善する
善玉コレステロールを増やす
ストレスを解消する

赤ワインの主な栄養成分

赤ワインにはいわゆる抗酸化ビタミンは含まれていません。微量のカルシウム、鉄、カリウム、亜鉛、ビタミンB1、B2などは含みますが、決してその効果を期待できるほどの量ではありません。しかし、数種類のポリフェノールが抗酸化物質として非常に有効に働きます。赤ワインのポリフェノール含有量は、1l中1000〜3000mg、一方、白ワインは150〜550mg。ちなみにポリフェノールの中でも最強の抗酸力があるのがリスベラトロールという成分です。リスベラトロールには、抗血小板凝集作用、抗がん作用があることがわかっています。

ワインは100ml中に12〜14%程度のアルコールを含みますが、アルコールによって、よりポリフェノールの作用が強まり、吸収も高められます。赤のブドウジュースもポリフェノールを含みますが、アルコールがないため効果はワインと比較して低くなります。

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ワインに含まれる栄養成分の効能

ポリフェノール

多種のポリフェノールが複合でがんを防ぐ

フランス人の食生活は、フランス料理に代表される生クリームやパスタ、チーズなど、いずれも動物性脂肪が非常に多いものです。ところが、なぜかフランスでは動脈硬化などによる心筋梗塞の発症率がドイツの約1/2、イギリスの1/3と低いのです。

そこで、なぜこうした現象が生じるのかを研究したところ、フランス人が日常飲んでいるワインにたどりついたのです。そのワインに含まれているのが「ポリフェノール」という抗酸化物質だったのです。

ポリフェノールについての研究が進むと、ポリフェノールの大半は皮や種子にあること、また赤ワインのポリフェノールとして、ブドウの種子にタンニン、カテキン、皮にリスベラトロール、アントシアニンが含まれており、いずれも抗がん作用があることが分かったのです。

そもそも、がんが発生する原因の1つに活性酸素があります。この活性酸素は人体にとんでもない害を及ぼします。活性酸素は私たちが呼吸によってとり入れた酸素の一部が変性したもので、遺伝子に傷をつけてがん細胞を発生させたり、細胞を攻撃して老化を早めたり、動脈硬化などを進行させるのです。ポリフェノールは、そんな活性酸素による遺伝子や細胞の酸化を抑えることによってがんを防ぎます。

国立健康・栄養研究所の近藤和雄氏らは、赤ワインのもつ強い抗酸化作用を証明しています。動脈硬化の原因となる悪玉のLDLコレステロールが血液中に増えすぎて、これが活性酸素によって酸化されると変性LDLとなって動脈硬化を進めます。ところが赤ワインを飲むことによって、酸化が抑えられたのです。これは、がんに対する実験ではありませんが、ワインに強い抗酸化作用があることが立証されています。

ワインががんを防ぐのは、ポリフェノールによって酸化が抑えられ、遺伝子を傷つける活性酸素の害から体が守られるからです。特にワインには、先ほど述べたように、数種類のポリフェノールが含まれています。ポリフェノールはもともと糖質が変化してできたものです。緑色植物は光合成によって日光をとり入れて、養分や酸素をつくりだしますが、ポリフェノールはこのときできる成分です。

タンニンやカテキンは、赤ワインの渋味のもとです。アントシアニンはワインの赤紫色の色素です。これらの複数のポリフェノールが複合して作用するため、ワインは高い抗酸化作用が得られるのです。

さらに、リスベラトロールには、抗血小板凝集(血小板凝集を抑える)作用があるので、血液が固まって血栓ができるのを防ぎ、さまざまな成人病の予防にも有効です。

白ワインにはポリフェノールはない?

赤ワインと白ワインは作り方が違います。ブドウの実をつぶすところまでは同じですが、赤ワインが皮も種子もいっしょに発酵させるのに対して、白ワインはブドウの汁だけを発酵させます。赤ワインは皮によって赤い色がつき、また皮や種子によって独特の渋味やコクができますが、白ワインは透き通った色とすっきりめの味となるのです。赤ワインの赤い色はアントシアニンという色素で、これもポリフェノールの一種です。また、渋味も皮や種子のタンニン、カテキンによるものです。

つまり、皮や種子がないぶんだけ、白ワインにはポリフェノールが少ないのです。もちろん、ゼロではありませんが、赤ワインの約1/10程度と非常に少なくなります。

ただ、最近の研究では、白ワインは善玉のHDLコレステロールをふやすという結果が出ており、心臓病予防に関していえば、赤ワインにひけをとらない効果があるということが実証されました。

赤も白も料理に合わせて上手に飲み分ければ、高い健康効果が期待できると言えるでしょう。

ワインの健康面を重視した場合の選び方や適量

よりポリフェノールの多い赤ワインを選ぶ

ワインは名前や銘柄が多すぎて選ぶのが難しい、ということをよく聞きますが、がん予防のために選ぶなら、まず赤ワインを選びます。白ワインも決してダメというわけではありませんが、より多くのポリフェノールをとるためには、やはり赤ワインがベストです。

また、ポリフェノールの含有量は、ブドウの産地によって違います。日照時間が長くて、日差しが強い地域のブドウほど、多くのポリフェノールを含んでいます。したがって南方の産地のものがよいといえます。南米やスペイン、ポルトガル、フランス南部、イタリアなどがおすすめです。

さらに同じ赤ワインでも、透明感のある赤色よりも、色の濃いほうがよく、味も渋味の強いもののほうがポリフェノールは多くなります。よくワインの味の目安として、ライト、ミディアム、フルボディなどの背ラベルの表示がある場合がありますが、ポリフェノールに限って言えば、フルボディのものが一番多く含有していると言えます。熟成期間も10年程度のものがベストですが、熟成させすぎるとポリフェノールの働きが低下してしまうので、これも要注意です。

高価なワインがよいというわけでもないので、経済的に負担にならない程度のもので、気軽に飲み続けられるものを選ぶとよいでしょう。

1日にグラス1〜2杯が適量

がん予防に効果があるといっても、毎日大量に飲むようなことはやめましょう。ワインはあくまでアルコール。飲み過ぎてよいことはありません。1日にグラス1〜2杯が目安です。夕食のときに食事といっしょに楽しみながら飲んだり、ナイトキャップがわりに飲むとよいでしょう。
ワインを飲むときに、抗酸化作用が高いビタミンやミネラルを含む野菜などをおつまみにして、いっしょにとるのもおすすめです。

ホットワインのつくり方
風邪のひき始めで寒けがする時や寝つきが悪い時などにおすすめです。
①鍋に赤ワイン3カップ、シナモンスティック1本、クローブ、ハッカクを少々とレモンの輪切り3〜4枚を入れ、ハチミツ大さじ3〜4を加え、中火にかけます。
②さっとひと煮立ちしたら、すぐに火を止めてワインをこします。
③温かいうちに飲みましょう。すっぱい時にはハチミツを増量しても良いでしょう。

まとめ

今回はワインに含まれる栄養成分「ポリフェノール」について解説いたしました。女性に人気が高いワインですが、抗酸化作用などの効果を考えれば、男性にももっと積極的に摂っていただきたい飲み物です。ぜひ、ディナーの時にはグラス1杯のワインを優雅に楽しんでみてください。

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