痛風とはどのような症状の病気なのか?原因や治療法や予防法は?

痛風は尿酸値が異常に高い高尿酸血症の症状が数年続いたのちに発症する急性の関節炎です。風が吹くとその風が足に当たっただけで激痛が走るという例えからその名前がついたと言われていますが、本当の語源は中国医学からきており、「痛み」と”全身を侵す病気”を意味する「風」からなる病名です。すなわち、痛みと、合併症による全身の疾患という症状を表しているのです。

今回はそんな全身を侵す引き金になりかねない恐ろしい病気「痛風」について解説いたします。

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痛風とはどのような症状の病気なのか?

痛風とは、急性の関節炎で、足の親指の付け根の関節が赤く腫れて、突然激しい痛みと炎症が起こる症状の病気です。痛風発作は、放置すると腎臓障害などを引き起こすことがあります。

痛風は1950年代から患者が増え始め、現在では高血圧や糖尿病とならんで、特に30~40歳代以降に多く発症します。年々発症年齢の若年化が進んでおり、20歳代で痛風にかかる人も増加傾向にあります。患者の98%は男性という圧倒的に男性に多い病気です。

痛風発作の症状は、個人差もありますが、数日間歩くことも、足をつくこともできないほど猛烈に痛みます。発作の少し前から、違和感や軽い疼痛などの前兆を感じることもあります。

通常、痛みは発作が起きてから24時間以内にピークに達し、その後1~2週間のうちに、何事もなかったかのように治まりますが、しばらくすると、また同じような発作が起こります。これを繰り返しているうちに、発作の間隔は次第に短くなり、足首や膝の関節などに炎症が広がっていきます。

また、痛風は放置すると、動脈硬化が進行したり、腎不全や尿路結石症などの合併症を引き起こすことがあります。痛風結節が耳やひじ、足などにできることもあります。

痛風は何が原因で発症するのか?

痛風は、プリン体の最終代謝産物である尿酸が関節の中に蓄積して起こる病気です。尿酸が異常に増えて尿酸塩という結晶となり、関節に沈着して起こるものですが、関節以外にも腎臓の尿細管に沈着すれば、腎臓の機能を低下させて腎不全を起こします。

尿酸の結晶は関節だけでなく、腎臓や尿路にも蓄積するため、様々な障害を引き起こすことになります。

血液中の尿酸の濃度を、尿酸値(血清尿酸値)といいます。尿酸値が異常に高くなり7.0mg/dlを超えると、高尿酸血症とよばれます。この状態が数年以上続くと痛風発作を起こす確率が高くなります。

痛風が圧倒的に男性に多いのは、女性は女性ホルモンのはたらきで尿酸の尿中排泄が活発なためです。ただし、女性でも閉経後になると痛風発作を起こす可能性があります。

痛風の人は肥満や高血圧、脂質異常症をともなうことも少なくありません。メタボリックシンドロームには注意が必要です。

痛風が慢性化すると、蓄積した尿酸のかたまりである痛風結節というしこりが関節の近くにできます。

関節が痛くなったりしこりができたりするので、関節の病気のように思われていますが、実際は血液中の尿酸が増えて起きる代謝異常の病気なのです。

痛風は虚血性心臓病の危険因子でもあり、高脂血症、高血圧、糖尿病、肥満などの合併症を引き起こすことも多いので、脳血管障害や心臓病を併発することも少なくありません。

日本の痛風患者はなぜ増えたのか?

痛風が増えたのは日本でも食事の欧米化が進み、動物性タンパク質の摂り過ぎが起きてきたからと考えられます。尿酸はプリン体という核酸が身体の中で分解されていく過程で作られますが、このプリン体はレバー、エビ、貝など動物性食品に多く含まれます。プリン体のとりすぎには注意しましょう。

高尿酸血症とは?

尿酸が作られすぎたり、腎臓からの尿酸の排出がうまくいかず、尿酸過多になる症状を高尿酸血症といいます。通常、血液100mg中に尿酸が6mg以下なら心配ありませんが、7.5mg以上になると痛風の発作の可能性があるので、診察を受けましょう。8.5mg以上の場合はただちに治療に入らなければなりません。

中高年の血液を調べると、高尿酸血症の状態になっているケースが100人中10〜20人ぐらいみつかりますが、その人たちが必ずしも痛風になるというわけではありません。確実に痛風を発症するのはその1割ほど、しかし残り9割の人も、放置しておけば痛風になる可能性はどんどん高くなります。

痛風や高尿酸血症は、それが遺伝的な体質の場合には予防手段はありません。肥満や高血圧による高尿酸血症の場合は、その症状を治すことがその後の痛風の発症の予防になります。発作は治療や自然治癒で治まりますが、尿酸のコントロールを続けない限り、発作は何度も起こります。

そのために一度発作が起きた人は尿酸値が上がらないように、薬物治療と同時に食事に注意し、肥満を解消して、ストレスをためない生活を送るなどの対策を講じて再発を予防する必要があります。痛風を悪化させないためには、高尿酸血症という状態を一生にわたってコントロールし、血液中の尿酸を適正レベルに保つしか方法はありません。

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痛風にはどんな治療法や予防法があるのか?

痛風の治療は、リウマチ科や内科で行います。薬物療法と生活習慣の改善が基本です。

薬物療法は大別すると、

  • 痛風発作の痛みや炎症を抑える対症療法
  • 高尿酸血症の治療

の2種類になります。

痛風発作の薬物治療

発作の前兆の時期や、発作のごく初期であれば、コルヒチンが効果を発揮します。ただし、ひとたび発作が始まってしまうとコルヒチンは効かず、非ステロイド系抗炎症薬を使います。

非ステロイド薬が効かないときや、胃や十二指腸に疾患がある場合は、非ステロイド薬ではなく、ステロイド薬を使うことになります。

薬によって副作用は異なりますが、使用にあたっては、医師の指示のもとに適切な治療を行うことが大切です。

高尿酸血症の薬物治療

年に何回も痛風発作を繰り返すようなら、体内には相当量の尿酸が蓄積しています。また痛風発作を起こしたことがなくても、尿酸値が9.0mg/dl以上になると、高尿酸血症の薬物治療が必要になってきます。

尿酸をコントロールする薬は、尿酸降下薬と呼ばれ、アロプリノール、フェブキソスタットという尿酸合成阻害薬や、ベンズブロマロンなどの尿酸排泄促進薬などがあります。

これらの薬は、尿酸をコントロールすることはできても、痛風発作そのものを抑える作用はありません。また、発作中に尿酸値を低下させると、かえって症状の悪化を招くことになるため、発作が落ち着いてから服用を開始します。

なお、尿酸降下薬を飲み始めてしばらくの間は、発作や発作の前兆のような症状が起こることがあります。血液中の尿酸濃度の変動による一時的な現象で、数か月のうちには治まってきます。

尿酸のコントロールには長い時間がかかりますし、薬の副作用にも注意が必要です。医師の適切な指導のもとに、根気よく治療を続けることが大切です。

生活習慣の改善

痛風は、かつては「ぜいたく病」とも呼ばれたように、美食と大酒が原因と考えられてきました。たしかにプリン体の過剰摂取は、尿酸の産生量を増やしますが、実際は美食よりも過食のほうを問題視するべきでしょう。

食事やお酒の量的なコントロールが痛風治療においては重要なポイントと言えます。さらに、尿酸の排出を促進するために水分を十分に補給し、激しい筋肉運動を控え、軽い運動を行うよう心掛けましょう。

プリン体さえ摂らなければ良いのか?

プリン体とは細胞核を作る核酸の主要成分です。プリン体の分解産物が尿酸で、これが体内で過剰になり、尿酸ナトリウムの結晶が関節などに沈着しておこるのが痛風です。

プリン体の多いものは痛風の大敵と言われますが、プリン体を避けても、100mg当たり1mgほどしか尿酸値は下がらないため、動物性食品にのみ注意するというよりは、それも含めて過剰なカロリー摂取に注意することがよいと考えられています。食べてはいけないものはありませんが、高タンパク食や高エネルギー食が多くならないよう気をつけましょう。

お酒を控える

お酒の飲みすぎも痛風になりやすい要素の一つです。大量のアルコール分の摂取は、血液中のケトン体という物質を増やします。このケトン体は、腎臓が尿酸を体外へ排出するのを阻害してしまう物質です。また大量のアルコールは血液中の中性脂肪を増加させ、動脈硬化ももたらします。1日にビールなら大ビン1本、日本酒なら1合までが適量ですので、くれぐれも飲み過ぎには注意しましょう。またストレスは血液中の尿酸値を高めるので、ためないように健やかな生活を送りましょう。

高脂血症にならないように

痛風と合併すると危険なのが高脂血症です。痛風は血液中の尿酸が異常に増える状態ですが、高脂血症は、血液中のコレステロールや中性脂肪などの脂質が異常に多い状態です。これが長く続くと、血管壁にコレステロールが沈着して動脈硬化をおこし、狭心症や心筋硬塞、脳卒中などを誘発します。

痛風の患者は高脂血症の人が多いのですが、痛風も高脂血症も血液中の物質が異常に増えて血流が悪くなっています。高脂血症も食事やストレスが原因で長い間かけて進行します。予防するためには食事や肥満に注意し、ストレスをためないようにするとともに、タバコもコレステロール値を上昇させるので控えるべきです。

コレステロールを抑えるためには、肉類の脂身の多いところ、ベーコン、ハムなどはあまり食べないようにします。卵、ウニ、イクラ、レバー、ししゃも、乳製品、生クリームなどコレステロールを多く含む食品も食べ過ぎないよう注意して下さい。

コレステロールを抑える野菜や海藻などは十分な量を摂るようにしましょう。中性脂肪を抑えるためには食べ過ぎに注意して、砂糖や甘い果物などを摂り過ぎないように注意しましょう。

悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やし、中性脂肪を減らすためには適度な運動が必要です。

まとめ

今回は「痛風」の症状や原因や治療法について解説いたしました。遺伝的な要素は防ぐことはできませんが、食生活をはじめ、生活習慣の改善によって可能な限りの予防に努めることは無駄ではありません。特に美食家やお酒好きや肥満気味や喫煙者の男性などは発症率が高いので、生活習慣を見直してみることをおすすめいたします。

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