タバコと肺がんの因果関係は?

近年は健康ブームで、タバコの喫煙率は年々低下しています。それは非常に良いことなのですが、愛煙家の方の中にはタバコと肺がんの関連性を疑問視している方も多くいるようです。今回はタバコと肺がんの因果関係について解説いたします。

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タバコと肺がんの因果関係は本当にあるのか?

今年2月の国会で「健康増進法改正案」(通称:禁煙法)の議論が行なわれた際に麻生太郎財務大臣が、肺がんとタバコの因果関係を疑問視する発言をしたことが話題になりました。

麻生大臣本人が愛煙家であることから同法案成立に対して消極的な立場であるのかも知れませんが、そのような麻生氏の私情を抜きにしても、確かに喫煙率が低下しているのに対して肺がんによる死亡率が下がっていないというデータがあるため、関連性に疑問を持つ方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?

日本人の喫煙率は現在約30%(1960年代は80%)、女性は10%程度(1960年代は20%弱)で推移しており、明らかに男女共に喫煙率は減少傾向にあります。

しかし、同期間の肺ガンによる死亡者数は増加しており、93年以降は男性のがん死亡率のトップが肺がんとなっているのです。麻生大臣が疑問を感じたのもわかる気がします。

しかし、愛煙家の方には申し訳ないのですが、肺がんと喫煙率が無関係ということはありません。喫煙者が減っているのに死亡者数はトップを維持していることには理由があるのです。

喫煙率が減少しても肺がんが死亡率のトップである理由

一つ目の理由は喫煙や禁煙の影響が現れるのには時間がかかるということです。

喫煙開始から肺がんにかかって死亡するまでには数十年の年月がかかると考えられており、現在肺がんによって亡くなっているのは数十年前に喫煙を開始した人たちだと考えらます。

逆に言うと、喫煙率が減ったことによる死亡者の減少というデータはこれから数十年後に顕著にデータとして現れてくるものと予想されるのです。

二つ目の理由は、医療の進歩によって他の病気の死亡者が減少し、高齢化社会を迎えたということです。

戦後の日本人の死因の上位は結核や脳卒中が占めていましたが、医療の発展によってそれらの疾患による死亡者が大きく減少した結果、平均寿命が延びていきました。つまり、ガン以外で死亡するリスクが社会全体で減少したので、結果的に実際の死因の多くがガンによるものになっているのです。

三つ目の理由は、高齢者の方が若年者よりもがんを発症しやすいということです。

ガンは高齢者のほうが発症しやすいため、高齢化社会となった現在、その症例が増加しているという事実があります。

高齢化による影響を除外した上での、疾患による死亡率を研究する「年齢調整死亡率」という考え方によれば、1996年をピークに肺がんによる死亡率は減少しているといい、今後も減少の一途をたどると考えられているのです。

以上、3つの観点から、現時点では矛盾しているように捉えがちな喫煙率の現象と肺がん死亡者の増加という現象には理由があることが理解頂けたかと思います。

タバコと肺がんの発症には因果関係は明確にあると言えるでしょう。

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タバコによる肺がんの発症確率はどれくらい?

タバコと肺がんに因果関係があることは納得頂けたと思いますが、喫煙による肺がんの発症確率はどれくらいなのでしょうか?

喫煙者の肺がん発症率は20%以下程度と考えられていますが、数値的には非喫煙者の10〜20倍に相当します。

喫煙以外の肺がんの原因、つまり非喫煙者が肺がんにかかってしまう原因には、遺伝、排気ガスなどの大気汚染、アスベスト、受動喫煙などがあります。

タバコによる肺がんのリスクについては、厚労省始め、様々な機関で調査が行なわれ、肺がんはもとより、それ以外にも重篤な病気との関連性が指摘または数値化されていますので、まとめて紹介いたします。

・喫煙者が心筋梗塞により死亡する危険性は非喫煙者に比べて約1.7倍高い

・喫煙者が脳卒中により死亡する危険性は非喫煙者に比べて約1.7倍高い

・喫煙は肺気腫を悪化させる危険性を高める

・妊娠中の喫煙は、胎児の発育障害や早産の原因の一つとなる

・たばこを吸う妊婦は、吸わない妊婦に比べ、低出生体重の危険性が約2倍、早産の危険性が約3倍高くなる。

・人により程度は異なるが、ニコチンにより喫煙への依存が生じる

・未成年者の喫煙は、健康に対する悪影響やたばこへの依存をより強める

・喫煙者は肺がんにより死亡する危険性が非喫煙者に比べて約2倍から4倍高くなる

肺がん患者のうち喫煙者の割合はどれくらい?

カナダのタバコのパッケージの警告表記には下記のような内容が記されています。

たばこは、肺がんを引き起こします。 肺がんの85%は喫煙が原因です。 肺がん患者の80%は3年以内に死亡しています。

肺がん患者の圧倒的多数が喫煙者ということですね。前述のタバコと肺がんの因果関係を改めて認識頂ける数値化と思います。

まとめ

今回はタバコと肺がんの関係性について紹介いたしました。

昔から喫煙は「百害あって一利なしと言われます。しかし、喫煙者の方は「吸っている時の喜びが一利」と主張して聞き入れないケースが多いのですが、心の奥底では”そりゃあ、できることなら禁煙したいさ…”と葛藤しているように思えてなりません。

喫煙にはリラックス効果があるかも知れませんが、その代償として大きく健康を損ねてしまい、本当に肺がんにでもかかってしまっては後悔しきれません。是非、減煙からでもいいと思いますので、禁煙を目指して頂くことを推奨いたします。あなたの健康はあなた自身しか守ることができないということをしっかり認識なさってください。

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