胆石症

胆汁の成分が胆道の中で固まると胆石になります。これが胆石症です。多くの場合は自覚症状がないため軽い疾患に思われがちですが、体内に石ができるため様々な健康被害が現れ、重篤な疾患の引き金にもなります。今回は胆石症について解説いたします。

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胆石症とはどのような症状の病気なのか?

胆石は、胆のうや胆管に石ができる病気です。肝臓でつくられる胆汁(消化液)の成分が固まることで発症します。多くの場合、胆汁中のコレステロールが飽和し、結晶化したものです。男性よりも女性に多く発症する傾向があり、男女比はおよそ1対2と言われています。胆石の生じた部位によって、胆嚢胆石、胆管胆石と呼びます。

胆石ができた人の2/3は無症状ですが、残り1/3の人には胆石発作とよばれる激しい腹痛が起こります。無症状胆石の人が有症状に変わるのは年1〜2%と非常に低率です。

代表的な胆石の症状は、数分から1時間程度におよぶ腹部(右肩、背部、胸部に及ぶこともある)の疼痛「右季肋部痛」(みぎきろくぶつう)です。そのほか、腹部膨満、吐き気、倦怠感などの症状もみられます。発作の頻度も月に数回の人から、数年に一度の人までと様々です。

胆石発作が起こっている時に胆嚢中に細菌が増えて炎症が起こると、急性胆嚢炎になることもあります。

胆管結石が胆管の中で胆汁の流れを阻害すると、胆汁が肝臓の中に閉塞されて血中の胆汁成分が増え、黄疸が現れたり、胆管炎になったりします。

胆管炎が重症化すると、敗血症やショック状態になることもあります。

結石が十二指腸への出口であるファーター乳頭にはまりこむと、膵液の排出を邪魔するため、膵炎になることもあります。

【胆石症の主な症状】

<胆嚢結石の場合>

  • 無症状:ほとんどの場合は自覚症状はありません。サイレントストーンと呼ばれます
  • 腹痛
  • 胃部不快感
  • 食欲不振

<肝内結石や胆管結石の場合>

  • 右季肋部痛(みぎきろくぶつう)や疝痛発作:右肋骨下を中心に起こる胃痙攣に似た激しい痛み。痛みは右肩や右背に放散することが多い
  • 感染が加わると発熱
  • 嘔吐、黄疸

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胆石症とはどのような原因で発症するのか?

胆石症は、胆汁の通り道である胆道のどこかに結石ができる病気です。結石の数は大きなものがひとつだったり、小さいものが数えきれないほどたくさんあることがあります。胆石の種類は結石のできる部位によって、胆嚢結石、胆管結石、肝内結石などに分けられます。

胆石の成分別にみると、コレステロール胆石、ビリルビンカルシウム胆石、黒色胆石などが多くみられます。

戦前はビリルビンカルシウム胆石が多くみられましたが、近年は食生活の変化によって70%がコレステロール胆石となっています。コレステロール胆石は、胆汁中に溶けたコレステロールの濃度が高くなりすぎることで生じます。色は淡色です。当然ですが、コレステロールの摂取が多い人に見られます。

ビリルビンカルシウム胆石は、胆道に細菌の感染が起こり、胆汁中のビリルビンがビリルビンカルシウムに変化して固まったものです。細菌に感染した場合やタンパク質の不足した人に多く生じ、濃い色をしています。

黒色胆石は、大きな手術を受けた数年後にできることが多いといわれます。体内で自分の血液が溶けた結果起こるのではないかと考えられています。

疝痛発作と呼ばれる激しい痛みが起きるのは、脂肪の多い食事やストレスがきっかけとなるのではないかと考えられています。

高齢者の場合、胆管に移動した胆石が原因となり、胆管炎を起こすと、エンドトキシンショックやMOF(多臓器不全)になりやすく、生命を脅かすことがあります。

【胆石症が発症する主な原因】

  • 高齢
  • 肥満
  • 遺伝
  • ストレス
  • 脂肪分の多い食事

胆石症の治療法は?

胆石症を発症した際の受診科は、消化器内科、消化器科、内科などになります。胆石が生じた部位によって、胆のう結石と、胆管結石に分けられ、症状や治療が異なります。

症状のない胆石症には原則として治療を行わず、経過を観察します。胆石発作の治療には、鎮痛鎮痙薬が用いられます。直径1cm以下のコレステロール結石は、胆石溶解薬を6か月間内服することもあります。胆嚢炎になった時は、軽症では抗菌薬を中心とした療法を行います。

腹膜炎をともなう場合は胆嚢の摘出手術(開腹手術、腹腔鏡下手術)を行います。現在では腹腔鏡を用いて小さい傷で手術するのが一般的です。結石の溶解あるいは破砕療法を単独で、あるいは併用する場合にしても、結石の成分、大きさ、数などに制約があります。また、たとえ結石が消失しても溶解剤を中止すると再発してしまう問題もあります。

胆管に結石がある場合は、胆管を胆石が塞ぐことで、強い症状が現れます。内視鏡的乳頭切開術や胆管切開術を行います。

胆石症のおもな原因は、胆汁中のコレステロール濃度が高くなることですので、高脂肪の食事は避け、バランスよく適量をとりましょう。多量の水分摂取も避けます。適度な運動を心がけ、肥満を解消することも大切です。また、ストレスをためないようにし、規則正しい生活を送るようにしましょう。これらの心がけが胆石の予防や再発防止につながります。

まとめ

今回は胆石症の症状や原因や治療法について解説いたしました。重症化すると重篤な疾患を引き起こすこともありますので、上腹部痛、発熱、黄疸の出現などの徴候が感じられた時はすぐに専門医を受診するようにしましょう。

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