多汗症とはどんな病気?効果的に治す方法はあるの?

“汗っかき”という言葉がありますが、人によっては生活に弊害を生じるほどたくさんの量の汗をかいてしまう体質の方がいます。いわゆる「多汗症」です。今回は多汗症の改善方法について解説いたします。

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多汗症とはどんな病気?

いったん汗をかき始めると、流れ出るほどの汗が出すぎて、日常生活に支障をきたすほどの状態になることを多汗症といいます。

多汗症の症状が現れるのは、手足、脇の下などが多いですが、頭や全身などに現れるという人も珍しくありません。衣服に汗染みができる、手が汗で濡れて紙に字が書けないなど、過剰な汗が生活な中で非常に不自由さをもたらすのが多汗症です。

しかし、残念ながら多汗症の原因は現在までにほとんど解明されておらず、汗を止める薬というものもないのが現状です。

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多汗症を効果的に治す方法はあるの?

多汗症を改善する方法として、現在以下のような手段が試みられています。

1.胸部交感神経切断術

発汗は交感神経の作用によって起こります。この神経を手術で切ってしまうと汗は出なくなります。例えば、胸部の交感神経を切ると、脇や手のひらの汗が出なくなります。

ただし、代わりにほかの部分の汗が増えてしまうという副作用が起こることがよくあります。これを代償性発汗といいます。代償性発汗がどの部位に起こるか予測は不可能で、過去の事例では手の汗が減った代わりに陰部の汗が増えてしまったという例もあります。

そのようなトラブルを事前に十分考慮する必要があるため、交感神経切断術に関しては、医療機関も慎重になってきています。ただし、近年はこの代償性発汗を抑制する手術方法も考案されつつあります。

2.水のイオン導入

水道水を使ってイオン導入すると、汗を減らすことができます。例えば、水道水で濡らしたコットンなどを手のひらにのせて、上から電極を当てて弱い電流を流します。左右各10分くらいずつ行います。そうすると汗が減りますが、効果は3〜4日しかもたないので、通院でこの治療を続けるのはかなり困難です。ただし、安全で有効な治療と言えます。

水道水のイオン導入でなぜ汗を減らせるのかは、詳しく解明されていません。ちなみにイオン導入器は医療用のものでないと、電圧が低くて効果がありません。美容目的で市販されている家庭用の導入器(ビタミンC導入に使うものなど)では、顔以外の部位に用いても皮膚が厚くて浸透しないので注意が必要です。

なお、多汗症のイオン導入を行っている皮膚科は少ないので、受けたい人は予め問い合わせて確認しましょう。保険が適応されるので、1回の治療費は2,000円程度です。

3.ボツリヌス注射

ボツリヌス注射は神経をブロックするので多汗症の治療に有効と考えられています。汗をかきやすい部分に注射すると、約半年間は発汗量が減少します。狭い部位の多汗症(手のひら、足の裏、脇の下など)の治療には適しています。保険が適応されないため治療費は高額になりますが(1回5万円以上)、安全かつ有効な治療方法とされています。

4.塩化アルミニウム水

塩化アルミニウムの水溶液(10%程度のもの)を塗ると、汗をある程度減らすことができます。作用は汗腺出口の皮膚のタンパク質を固めてしまうようなものですが、効果は数時間しか継続しません。塩化アルミニウム水をコットンに含ませて患部にしばらく(2時間〜一晩)つけておき、効果をより持続させるという治療もあります。

なお、市販の制汗剤(スプレー式やロールオンタイプの汗止め)もほとんどのものが主成分は塩化アルミニウムです。

5.漢方薬

色白でむくみやすく、常に肌が汗でじっとりしているタイプの人に防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)という漢方薬が有効なことがあります。また、過度に緊張しやすくてすぐに発汗する人には、緊張をやわらげる桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)などの処方を用いることもあります。多汗症の漢方薬による治療は、体質に合わせて選んだものを長く用いる必要があります。

まとめ

今回は多汗症の改善方法について解説いたしました。多汗症を発症する原因は詳しく解明されていませんが、薬による治療や手術によって改善が期待できますので、お悩みの方は一度専門医に相談してみることをおすすめいたします。

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