膵炎

膵炎は、膵臓から分泌される消化酵素によって、膵臓自体が消化される病気です。経過によって急性膵炎と慢性膵炎に分けられます。また遺伝性膵炎は指定難病になっています。重症の場合は死に至ることもある、決して軽視はできない疾患です。今回は膵炎について解説いたします。

スポンサードリンク

膵炎とはどのような症状の病気なのか?

膵炎は、膵臓から分泌される消化酵素が膵管内で活性化し、膵臓自体を消化してしまう病気です。急性と慢性に分けられますが、急性膵炎では、軽症から難病指定されている重症のものまで症状は様々です。

膵炎の主な症状としては

  • 上腹部痛
  • 背部痛
  • 嘔吐、吐き気
  • 発熱
  • 腹部膨満感(おなかが膨れる感じ)

などがあります。

【急性膵炎の症状と特徴】

上腹部から背中、ときに肩にかけて激しい痛みがあります。この痛みは前屈すると軽くなるため、エビのような姿勢になるのが特徴です。嘔吐や発熱、下痢、腹部の張った感じもあります。

症状が重くなると脱水症状になり、血圧が下がり、ショック、意識の低下、頻脈(脈が速くなる状態)、チアノーゼなどが現れます。

最初は軽症でも、急激に重症に転じることがあるので一刻も早い受診が必要です。とくに重症急性膵炎は敗血症、腎不全、心不全などの多臓器不全を起こして死に至ることもあります。

急性膵炎では、多くの場合、膵臓が腫れるだけの軽症で後遺症もなく治りますが、まれに、多臓器不全を起こしたり、感染症を合併したり、急激に重症化することがあります。

【慢性膵炎の症状と特徴】

急性膵炎を繰り返すうちに膵臓で線維化や石灰化が起こり、膵臓の機能低下が起こることをいいます。

腹痛、背部痛、肩痛、倦怠感、下痢、口の渇き、多尿、黄疸がみられます。急性発作を起こすと激しい腹痛を訴えます。膵臓の破壊が進行すると逆に腹痛はなくなります。

慢性膵炎が進行して、膵臓が広い範囲で壊死し機能低下すると、糖尿病や消化吸収障害などが起こることもあります。完治が難しい病気ですが、きちんとした治療を行えば、日常生活に支障はありません。

スポンサードリンク

膵炎とはどのような原因で発症するのか?

膵炎の主な原因は、

  • 大量の飲酒
  • 喫煙
  • 胆石

などです。男性の場合はアルコール性膵炎が8割、女性の場合は特発性慢性膵炎が7割を占めています。男性の慢性膵炎患者は8割に喫煙習慣も併せもっています。

【急性膵炎の原因】

40%はアルコールが原因で起こります。体調が悪いときにアルコールを多飲し、脂肪分の多い食事を摂ることがきっかけで起こることもあります。

胆石症や腹部の外傷で膵液の出口がふさがったり、内視鏡的逆行性胆管膵管造影の後に起こることや、原因がはっきりしないこともあります。

【慢性膵炎の原因】

アルコールによるものが70%、原因不明の特発性が20%、胆石性は3%です。

膵炎の治療法は?

膵炎の受診科は、消化器内科、消化器科、内科になります。治療は、絶飲食をし点滴を受け、膵臓を安静にすることが基本です。おもな治療法は、たんぱく分解酵素阻害薬、鎮痛薬、抗生物質などを用いた薬物療法です。胆石が原因で膵炎が悪化する場合には、胆石の除去を行います。

予後としては、脂肪分の多い食事を控え、食べ過ぎないよう腹八分目を心がけます。香辛料や炭酸飲料、コーヒーなど刺激の強いものも避けましょう。もちろん飲酒や喫煙は厳禁です。また、ストレスも悪影響を及ぼしますので規則正しい生活を送り、気分転換で上手にストレス解消をしましょう。

【急性膵炎の治療】

鎮痛薬、たんぱく分解酵素阻害薬、輸液、抗菌薬などを用います。結石があるときは、摘出手術を行うこともあります。

【慢性膵炎の治療】

アルコールが原因の場合は、禁酒を行います。脂肪分の多いものは控えます。鎮痛薬、たんぱく分解酵素阻害薬、消化酵素薬などを用います。膵臓に結石があるときは、内視鏡あるいは体外衝撃波結石破砕療法で除去します。

まとめ

今回は膵臓自体が消化される病気「膵炎」について解説いたしました。軽症のまま治癒するケースもありますが、急激に重症に転じることもあるため、上腹部痛や背部痛が現れた時は一刻も早い受診をおすすめいたします。

スポンサードリンク