大豆の栄養成分や効能と抗がん作用を活かした効果的な食べ方

良質のタンパク質が含まれており、栄養価が高いことから”畑の肉”とも呼ばれている大豆ですが、大豆が健康に良いといわれる理由はそれだけではありません。大豆をはじめ、豆腐、納豆、味噌などの大豆製品には、優れた抗がん成分が含まれているのです。今回は大豆や大豆製品の栄養成分や健康効果について解説していきます。

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大豆に含まれる栄養成分

大豆・大豆製品の成分と効用

栄養素 はたらき
DDMPサポニン がんの予防
ビタミンB2 抗酸化作用
ビタミンE 抗酸化作用
(納豆)ナットウキナーゼ 腸内の善玉菌を増やす
がんの予防
サポニン 動脈硬化を防ぐ
フェノール がんの予防
タンパク質 免疫の働きを高める
フラボノイド がんの予防
レシチン 老化予防
食物繊維  便秘の予防・改善
 リノール酸  コレステロールを下げる
 イソフラボン  がんの予防
(味噌)抗がん成分  がんの予防
ビタミンB2  がんの予防
ビタミンE  がんの予防
 テルペン  がんの予防
 サポニン  肥満の予防・改善

大豆20g中の主な栄養成分(常用量20g=大さじ2の栄養成分値)

栄養素 含有量
カロレン 1.2μg(0.0012mg)
ビタミンE 0.72mg
食物繊維 3.42g
たんぱく質 7.06g
ビタミンB1 0.166mg
リノール酸 1.976g

大豆はサポニンやリノール酸を含み、動脈硬化を予防・改善する働きもあり、心筋梗塞や脳梗塞などの生活習慣病の予防にもかかせない食材です。

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大豆に含まれる栄養成分の効能

イソフラボン

ホルモンに関係するがんを抑える

大豆に含まれている成分でまず注目したいのがイソフラボンです。イソフラボンは女性ホルモンに似た作用をすることがわかっており、この作用が乳がんや大腸がんのほか、特に男性に多い前立腺がんに効果があると考えられています。

それを示すものに筑波大学医学部などのグループが行なった動物実験の事例があります。前立腺がんを引き起こす発がん物質を投与したラットを、

普通のエサだけを与えたA群
イソフラボン100ppmを投与したB群
イソフラボン400ppmを投与したC群

に分け、50週間後にラットを解剖して、前立腺がんの発生率を調べたのです。

すると、イソフラボンを投与しなかったA群の発生率が51%だったのに対して、B群は35%、C群は29%、とイソフラボンを投与したグループは明らかに前立腺がんの発生率が低くなっていました。

日本人は前立腺がんを潜在的に持っていても、欧米人に比べると発症率が極めて低いといいます。これは、大豆食品を日常的に摂取している日本人の食生活が大いに関係していると考えられます。

前立腺がんは、そもそも男性ホルモンの過剰が原因で起こります。そのため、女性ホルモンに似た作用を持つイソフラボンを摂取すると、男性ホルモンの増加が抑えられて、がんの発症を抑制しているのではないかと見られています。

DDMPサポニン

活性酸素を取り除く

大豆にはイソフラボン以外にも、ビタミンB1・B2・E、食物繊維のほか、フラボノイド、テルペンなどの抗酸化物質も含まれています。これらの物質は活性酸素の発生を防いで、がんの発生を抑えてくれるのです。

もう一つ忘れてはならないものに、サポニンの一種であるDDMPサポニンがあります。大豆の胚軸に多く含まれているものですが、この物質には活性酸素を除去する作用があります。これが抗酸化物質と共存することで、より強力な抗がん効果が生まれるのです。

味噌の抗がん成分やナットウキナーゼ

発がん物質を体から追い出す

大豆加工食品もまた、大豆と同じ抗がん作用が期待できます。むしろ、味噌や納豆などの大豆発酵食品には、大豆にはない酵素が含まれており、これらが複合的に働くと考えられます。

動物実験でも、味噌には肝臓がんをはじめ、胃がんや大腸がんを抑えるの効果があることが確認されています。また、放射性物質が体内に取り込まれて、いろいろな臓器に蓄積すると、悪性腫瘍の発生につながります。味噌を摂るとこの放射性物質が早く体外に排出されるという実験報告も出ています。

納豆に含まれるナットウキナーゼという酵素にも、抗がん作用が認められています。この酵素は、抗酸化物質であるビタミンB2を増やすほか、腸内の善玉菌を増やして、発ガン物質を作り出す悪玉菌の繁殖を抑える作用もあります。食物繊維も豊富で大腸がん予防にも有効です。

中性子線を照射したマウスの味噌飼料によるがん抑制効果

性別 マウスの状態 肝腫瘍発現率(%) 平均個数
オス 中性子線を照射(29匹)  18匹(62%)  1.25
オス 中性子線を照射+味噌飼料(30匹)  4匹(13%)  0.16
メス 中性子線を照射(28匹)  8匹(29%)  0.32
メス 中性子線を照射+味噌飼料(24匹) 3匹(13%)  0.13

広島大学原爆放射能医学研究所で味噌によるがん抑制効果を調べた実験結果です。マウスに味噌を混ぜたエサを与え、肝臓がんを誘発する放射線を照射したところ、普通のエサを与えていたマウスに比べて肝臓ガンの発生率が抑えられました。胃がんや大腸がんも肝臓がんほど顕著ではないものの、やはり発生率は抑えられました。

大豆の栄養成分を損なわない効果的な食べ方

摂りやすい大豆製品を毎日のメニューに組み込む

大豆を煮る時は、まず大豆の量の3倍の水に1%の塩を加えて一晩浸します。このつけ汁には栄養分が流出しているので、捨てないで煮汁に使ってください。とろ火でゆっくり水煮して、水が沸騰したら「びっくり水」をさします。これは急に温度を下げることで、皮の伸びを抑え、皮と芯に同じ速さで火が通るようにするためです。再び煮立ったら味付けをします。

時間がないという人は、保温ポットを使うと早く煮ることができます。また、水煮したものを豆と煮汁に分けて、冷凍保存しておくと便利です。

大豆そのものを食べなくても、日本人は味噌、醤油、納豆、豆腐など、多種類の大豆製品を利用することができます。これら大豆製品を取り入れた和食は、栄養面でも申し分ありません。味噌汁に豆腐や納豆を入れたり、冷奴に納豆をかけたり、野菜に味噌をつけたり、マグロに納豆をかけたり、いろいろと工夫をして大豆製品を積極的に摂りましょう。

気になるのは胃がんの原因となる塩分ですが、味噌に含まれる交がん物質は、胃がんの発生を抑制することが動物実験によって確認されています。つまり、ミソに食塩が含まれていても、その悪影響は交がん物質によってかなり抑えられるので、摂り過ぎなければ心配ありません。

大豆を早く煮る下ごしらえのコツ

乾燥大豆は戻す必要があるので、この作業が面倒なため、つい敬遠してしまう方が多いのですが、手間をかけずに簡単に戻す方法があるのでご紹介します。

①乾燥大豆を水洗いし、保温ポット(電気ポットでなくてもよい)に入れる。
②熱湯を注ぎ、そのまま半日ほど置いておく。豆の大きさが約2倍になり、やわらかくなったら鍋に入れ調味する。

前日の晩から浸けておけば、翌日の朝にはやわらかくなっています。また、朝仕込んでおけば夕食時に利用できるので便利です。ぜひお試しください。

豆腐なら1/2丁、納豆なら1パックが目安

がん予防のためには、豆腐なら1/2丁、納豆なら1パックを目安に摂りたいものです。値段が手頃で、毎日摂ってもさほど家計に響かないのも、大豆製品の大きなメリットといえるでしょう。ミソや納豆などの大豆発酵食品に多く含まれるアミノ酸は、消化を促進し、肝臓の解毒作用を助ける働きもあります。朝食に1杯の味噌汁や納豆を摂れば、活力がつき、二日酔いも早く治るので、一日のスタートにはもってこいです。

まとめ

今回は大豆や大豆製品の栄養成分と健康効果、効率的な食べ方などをご紹介いたしました。日本人の多くが健康食品と聞いてすぐに思い浮かべる「大豆」ですが、そのイメージ通りに大豆は多様な栄養成分を含み、抗がん作用も高い優れた健康食品です。ぜひ、大豆や大豆製品を積極的に食べていきましょう。

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