ごまに含まれる栄養成分や効能と効果を活かす食べ方

ごまはその薬効は古くから知られる伝統的な健康食材です。白ごまと黒ごまでは味や風味だけでなく、効果も違いますので目的に合わせて使い分けましょう。今回はゴマの栄養成分について解説いたします。

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ごまに含まれる栄養成分

ごまの成分と効用

栄養成分 はたらき
 β-カロテン がんの予防
抗酸化作用
ビタミンE がんの予防
抗酸化作用
セサミノール がんの予防
動脈硬化を予防する
イライラ・ストレスを予防する
二日酔いの予防
セサミン がんの予防
 セレン がんの予防
フィチン酸 がんの予防
食物繊維 がんの予防
カルシウム  骨を丈夫にする
貧血の予防・改善
リノール酸 コレステロールを下げる
【黒ゴマ】アントシアニン がんの予防
【黒ゴマ】ビタミンB1 がんの予防

ごま10g中の主な栄養成分
※常用量10g=大さじ1の栄養成分値

栄養成分 含有量
 カロテン 1.7μg(0.0017mg)
ビタミンE 0.24mg
食物繊維 1.08g
脂質 5.19g
たんぱく質 1.98g
カルシウム 120mg
0.96mg

黒ごまと白ごまの違いは?

黒ごまには肝機能や腎機能を向上させる働きがあり、滋養強壮やアンチエイジングに効果が期待できます。老化による足腰の冷えや腰痛、めまい、耳鳴り、白髪予防などに効果が見込めます。

白ごまは身体を潤す働きを高める効果があります。肌の乾燥を解消したり、便秘の改善に効果が期待できます。

黒ゴマの色素成分であるアントシアニンとリボフラビン(ビタミンB2)によって抗酸化作用が強力となるため、がんの延命効果の実験で、黒ゴマのほうが有効というデータが報告されています。

ゴマリグナンとは

ごまの抗酸化成分の総称であるゴマリグナンには、セサミノールのほかにもセサミンやセサモリンなど多種類あります。これらもセサミノールと同様配糖体があり、例えばセサモリンは化学変化によってセサミノールに変化しそれぞれが体内で抗酸化作用を果たしています。

抗酸化成分 100g中含有量(mg)
 セサミン 490.6
セサモリン 300.4
セサモール 3.4
セサモリノール 1.1
セサミノール 0.9
ピノレジノール  2.1

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ゴマに含まれる栄養成分の効能

セサミノール

強い抗酸化作用で発がんを抑える

食用油を天ぷらなどの揚げ物に使うと、時間が経つにつれて黒ずみ、悪臭を放つようになります。これは、油の不飽和脂肪酸が空気にさらされて酸化し、徐々に過酸化脂質という有害物質に変化するからです。悪臭がするのは、この過酸化脂質のにおいなのです。

ところが、ゴマ油に限ってはこうした黒ずみや悪臭がみられません。これに注目した研究者らが、ゴマやゴマ油を調べてみたところ、多種類の抗酸化物質が含まれていることがわかったのです。

その一つが、ゴマリグナンという物質です。これは抗酸化成分の総称で、セサミンやセサモリンなどいろいろな種類がありますが、このうち特に注目したいのがセサミノールです。

セサミノールはゴマ油には豊富に含まれていますが、ゴマには少量しか含まれていません。しかしゴマには、セサミノールに糖の分子がついた配糖体(セサミノール配糖体)が大量に含まれています。このセサミノール配糖体は、体内に入ると腸内細菌の作用でセサミノールに変換し、腸管から吸収されて血液中をめぐり、全身の細胞を酸化から守ってくれることがわかりました。

それを示してくれたのが、名古屋大学の大澤俊彦教授らによる実験です。ラットにセサミノールを与えて、その抗酸化作用が体に与える影響を調べました。

細胞のがん化は、体内で過剰に発生した活性酸素によって、細胞膜や細胞内の遺伝子が傷つくために始まります。この遺伝子が修復される過程で、8-OHdG(8-ヒドロキシデオキシグアノシン)という物質が、尿中に出てきます。したがって、尿中の8-OHdGの排泄量を調べれば、体の細胞がどれだけ酸化され、がん化しているかがわかるわけです。

それをラットで調べたところ、ふつうの状態でも、活性酸素は体内で絶えず発生しているので、ラットの尿中には8-OHdGが検出されるのが通常ですが、セサミノールを食べたラットは、8-OHdGの排泄量が減少していたのです。

また、大澤教授らは同時に、四塩化物質という弱い発がん物質をラットに与える実験も行いました。発がん物質は大量の活性酸素を生じさせるので、8-OHdGの排泄量は増えます。しかし、これもセサミノールをいっしょに与えることで抑えられたのです。

セサミノールは動脈硬化も予防する

動脈硬化は、以前は悪玉コレステロール(LDL)が原因と考えられてきましたが、現在では動脈硬化を促進するのはLDLの中でも、活性酸素によって酸化されたLDLであることが明らかになっています。つまり動脈硬化の犯人もまた、がんと同じく活性酸素ということです。

そこで再びセサミノールの登場です。名古屋大学の大澤俊彦教授らは、健康な成人から血液を採取してLDLだけを分離し、強力な酸化剤でLDLを酸化して、セサミノールの抗酸化作用を調べる実験を行いました。すると、高脂血症の治療薬であるプロブコールや、細胞の酸化を防ぐビタミンEを加えても十分には防げなかったLDLの酸化を、セサミノールは見事に抑制したのです。

ということは、ごまを常食すれば、セサミノールが全身の血液中をめぐりながら、血中LDLの酸化も防止してくれる可能性が高いということです。動物実験では、すでにゴマがコレステロールの沈着を防ぎ、動脈硬化の進行を抑えることが確認されています。

セレン

抗酸化に必要な酵素の働きを助ける

ごまのガン予防効果を知るうえで、もう一つ忘れてはならないのがセレンという微量ミネラルの存在です。

先にも述べたように、私たちの体内では絶えず活性酸素が発生しています。そのため、β-カロテンやビタミンC・Eなどが細胞膜に存在して、絶え間ない活性酸素の攻撃から細胞を守ってくれています。さらに細胞内では、数種類の酵素がせっせと活性酸素の掃除に働いています。この酵素の一種であるグルタチオンペルオキシダーゼの主要成分が、セレンなのです。

セレンは穀類や豆類のほか、ゴマにも豊富に含まれていますが、その含有量はこれらの植物が育つ土壌の影響を大きく受けます。アメリカやニュージーランドなどでは土壌中のセレン含有量が低く、これらの地域に住む人は乳がんや大腸がんの発生率が高いことが知られています。

また、胃がんや食道がんの多発地域として知られる中国河南省の林具(リンシャン)という農村で、住民約3万人にβ-カロテン15mg、ビタミンE30mg、セレン50μgを毎日、5年間にわたって飲んでもらい、追跡調査が行われました。その結果、これらの微量栄養素を摂取しなかったグループに比べて、がんの死亡率は13%、胃がんの死亡率は21%も低下していたのです。

これらのデータを見ても、セレンが癌予防にとっていかに重要な役割を果たしているかがよくわかります。また、ゴマにはβ-カロテンやビタミンEも含まれているので、抗酸化作用も同時に期待できるわけです。特に、セレンはビタミンEとの組み合わせで、さらにその効果がアップすることがわかっています。

このほか、ゴマには食物繊維も豊富です。食物繊維は便通を促し、発がん物質をすみやかに体外へ排泄します。また、ステロール、フィチン酸という成分も含まれており、これらにもがんを抑制する効果があることが知られています。

黒ゴマのアントシアニン

免疫力を高めてがんを防く

アントシアニンはポリフェノールの一種で、黒ゴマの黒い果皮に含まれている色素成分です。このアントシアニンにも抗酸化作用があることが認められています。

さらにアントシアニンには、免投力を高める効果もあります。免疫とは、体内に侵入してきた細菌やウイルスなどの外敵を排除する体の働きですが、がん細胞に対しても働くので、免投力がアップすれば当然、がんの抑制効果も高まるわけです。

黒ゴマのアントシアニンが、がん細胞の増殖を抑えることは動物実験でも証明されています。これは、アントシアニンによって免疫力が高まり、異物であるがん細胞を排除したり、増殖を抑えたためだと考えられます。また、黒ゴマの細胞培養の抽出液が、皮膚がんや乳がんの発生を抑えるという報告もあります。

一般に胡麻には強い抗酸化作用があり、がん予防に有効なことはすでに述べた通りですが、ゴマのアントシアニンによる抗がん作用は黒ゴマにしか期待できません。ゴマには、白、黒、茶、金などの種類がありますが、ごまの中で最も高い抗がん作用をもっているのは黒ゴマといえるでしょう。

セサミン

肝臓の解毒作用を高める

肝臓は全身をめぐった血液が老廃物を置いていく場所でもあります。つまり、全身の発がん物質などの有害物質が集められているのです。そして、肝臓で解毒・分解されるのですが、肝臓の働きが低下していると解毒しきれず、こうした有害物質によって酸化が起こります。酸化はがんの始まりでもあります。

セサミンは肝臓の働きを助けて、解毒作用を高める働きがあります。これによって酸化を防いでくれるのです。つまり、間接的ではありますが、がんの予防にも有効といえるのです。もちろん、この働きはお酒を飲みすぎて、肝臓を酷使してしまったときなどにも有効です。

ゴマは肝臓の働きを動けて二日酔いを防ぐ

お酒も軽くたしなむ程度ならよいのですが、調子に乗って飲み過ぎると翌日つらい思いをすることに…。これは大量にアルコールを摂ると、肝臓での解毒作用が追いつかず、血液中にアルコールが残ってしまうからです。

じつはごまは、この二日酔い防止にも有効なのです。ゴマに含まれるセサミンには、肝臓の働きを助けて、アルコールの分解を促進する作用があります。アルコールの分解が早くなれば、血液中に出るアルコールも減るので、酔いも少なくてすむわけです。

さらに胡麻には、アルコールの分解過程で生じる毒素アセトアルデヒドの毒性を失わせる効果もあることがわかっています。またアルコールを飲むと、副交感神経の活動が低下して、呼吸や心拍が乱れやすくなりますが、ゴマにはこれを抑制する作用もあることが明らかになりました。

お酒を飲むときは、事前に少量のゴマを食べておくことをおすすめします。お酒のつまみにも、ごま和え、ごま豆腐など、ゴマを使ったものを食べるとよいでしょう。

ストレスの多い人にもごまはオススメ

ストレス社会といわれる現代、イライラや情緒不安定、またストレスからくる胃腸病に悩まされている人も少なくありません。

こうした人たちにもごまはオススメの食品です。ゴマには、トリプトファン(必須アミノ酸の一種)やビタミンB6も多く含まれており、これらはセロトニンなどの精神安定に不可欠な神経伝達物質の原料となります。これを補うことによってストレスを和らげて、イライラを鎮める精神安定作用があるからです。

また、ゴマに含まれるセサミンも、ストレスに対抗するためのホルモンの分泌を促して、精神を安定させる作用があります。

“ストレスは万病のもと”と言われるように、胃腸病ばかりでなく、さまざまな病気を招く原因になります。胡麻を常食して、ストレスに強い心と体を保ちましょう。

ごまに含まれる栄養成分や抗がん作用を活かす食べ方

食べる直前に炒り、必ずすって使う

ゴマの外皮の表面は、人間の体内では消化できないセルロースという物質に覆われているため、消化吸収されずにそのまま体外に排泄されてしまうことがあります。これでは、せっかくの有効成分が摂取できません。この欠点の解消法は、ゴマを妙ってから食べることです。

ゴマは妙ることで外皮が破れ、消化吸収がよくなります。また、加熱するとゴマリグナンの一種であるセサモリンが分解され、より抗酸化作用の強いセサモールに変化するという利点もあります。

妙ったゴマをすり鉢ですったり、切りゴマにすると、より消化吸収がよくなります。手間がかかっても、皮つきのゴマは擦って使うようにしましょう。

また、すった胡麻は空気に触れると酸化して、鮮度が落ちてしまうので、食べる直前に必要な量だけを炒ったり、するようにしてください。

毎日10g(大さじ1)を目安に

いくらがんに効くとはいえ、大量に食べ ればよいというものではありません。少量でも毎日続けてとるのが、ゴマの効用を得るうえで最良の方法です。摂取量の日安は、1日約10g(大さじ1)です。

ゴマといえば、和えものに利用されることが多いのですが、そればかりではどうしても飽きてしまいます。毎日食べ続けるには、ご飯にふりかけたり、ドレッシングやタレ、味噌に混ぜるなど、いろいろな工夫をすることが大切です。また、ゴマそのものだけでなく、ゴマ油も天ぶらや妙め物などにどんどん利用しま しょう。

最近では、ゴマを使った食品も多く出回っています。胡麻豆腐や胡麻せんべいなどは昔からあるものですが、ゴマのケーキやアイスクリームなど、デザート類にもゴマを使ったものが随分と豊富に揃っています。こうした市販品を利用するのもよいでしょう。

ごまの効用を損なわない炒り方

ごまの効用を十分に利用するには、食べる直前に炒り、必ず擦ることがポイントです。
①フライパンを弱火で温め、温かくなったらゴマを平らにならして入れる。
②強火にして、フライパンを火から離しながら炒る。2〜3粒ゴマがはぜたら火を止め、フライパンを4〜5回ゆすってから、バットなどに広げて冷ます。フライパンに入れたままにしておくと、どんどん焦げて香りも損なわれてしまうので注意してください。

まとめ

今回はゴマの栄養成分について解説いたしました。原産地はエジプトですが、日本へは不老長寿の妙薬としてインドから伝来したという歴史を持つごま。その効能によって古来から現代まで我々の健康な生活を支え続けてくれています。これからもしっかりとごまを摂り続けて元気な毎日を送っていきましょう。

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