線維筋痛症とはどんな病気?症状や原因や治療法を解説

アメリカの人気歌手レディー・ガガさんが現在のツアーが終了する今年の12月中旬以降の活動休止を発表し、その原因が「線維筋痛症」を患っていることであると公表しました。

この線維筋痛症は全身の筋肉に激しい痛みが生じる原因不明の病気で、日本にも多くの患者がいると言われていますが、この度のガガさんの報道で初めて耳にしたという方が多いのではないでしょうか?

今回はこの聞きなれない謎多き病「線維筋痛症」について解説いたします。

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線維筋痛症とはどんな病気?

線維筋痛症は、近年になって注目が集まっている病気です。アメリカでは人口の2%以上もの患者さんがいるといわれていた病気ですが、日本では実態がわかっていませんでした。しかし2003年から始まった厚生労働省研究班の調査で、日本でも人口の1.66%、約200万人の患者さんがいるだろうと推定されています。

主な症状は全身の筋肉系の痛みです。

  • ある朝、起き上がるのもっらいほどの痛みが全身に起きた
  • 体に何か触れたり、少し動いただけでも飛び上がるほど痛い
  • PCのキーボードを打つだけで衝撃が全身に走る
  • 部屋の照明の光が体に突き刺さるように痛い
  • 自分の髪の毛が肩などに触れただけで激痛が走る

などといった症状が多い病気です。しかもこの痛みは一時的なものではありません。日によって時間帯によって痛みの程度は変わりますが、痛みがなくなるということはなく、ずっと長く続くことが多いのです。

痛みはいつもあって、家事をしていたら突然強くなったり、乗り物に乗っていて体のバランスが崩れたときに痛みが出たりということも起きます。

多くのケースでは痛み以外にいくつもの症状が出ます。就寝中、痛みのために寝返りもできずに睡眠障害に陥ったり、頭痛や下痢が起きたり、女性の場合は月経困難症などの月経異常も起こりやすいことがわかっています。

そしてほてりや発汗などが慢性的に起こるといった更年期障害にも似た症状や、気持ちが落ち込んで意欲や気力がわかないといったうつ的な症状もあります。

痛みだけでもつらいところに、更にこのような諸症状が出るので、仕事や日常生活に支障が出てしまいます。

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線維筋痛症の原因は?

線維筋痛症発症の背景には心身のストレスが大きく関わっています。発症する方のほとんどに肉体的な負荷や強い疲労があり、自律神経系のバランスが崩れている場合が多いのです。また何ごとにも徹底して完璧を求める性格であったり、緊張を強いられるライフスタイルであったり、仕事において責任感が人一倍強い性格であることなども共通しています。

なぜ線維筋痛症になるのかはっきりとはわかっていませんが、ストレスが原因で、痛みを和らげる脳内物質の分泌に異常が起きたり、筋肉や血管の収縮、血流の障害などが起きたりしているのではないかと考えられています。

発症のきっかけは様々です。出産がきっかけになることもあれば、交通事故やケガ、手術などで体に外傷ができて発症する場合もあります。あるいは家庭や仕事での大きなストレスといった心理的要因から起こることもあります。

患者の8割以上は女性で、年齢では50代がピークです。実際、例えば親の介護で疲れきり、心配事が絶えないといった中高年の方の発症が目立ちます。

全身の筋肉系の痛みが長く続いていて病院を受診したけれども原因がわからないというときは、この病気の疑いがあります。

線維筋痛症は画像診断や血液検査で異常は見つからない上、比較的最近になって知られるように病気であるため、正しく診断されるのが難しい病気と言えます。

筋肉や骨の器質的な異常がなく、悪性腫瘍もない。内分泌疾患や関節リウマチなどの膠原病でもありません。原因不明なままにずっと苦しんでいたり、更年期障害ではないかと黙って耐えていたりするときは、心療内科やリウマチ科やペインクリニックなど専門の医療機関を受診してください。

線維筋痛症の診断で痛みを確認する場所

線維筋痛症の診断

線維筋痛症かどうかは、全身の痛みが3ヶ月以上続いており、アメリカリウマチ学会の診断基準によって定められた全身の18ヶ所の部位のうち、一定の力で押して体の11ヶ所以上が痛むときに診断されます。現在は日本でもこの基準が用いられていますが、痛みの箇所はこの18ヶ所だけに限られているわけではなく、ほかの部位が痛むことも多いのが実情です。

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線維筋痛症の治療法は?

線維筋痛症の治療には、まず薬物療法があります。痛みを抑える薬というと、いわゆる「痛み止め」(消炎鎮痛薬)を思い浮かべるかと思いますが、この病気の痛みは炎症から起きているものではないので通常の「痛み止め」は効きません。
痛みを直接抑えながら気持ちの落ち込みも改善する「抗うつ薬」、筋肉のけいれんや収縮、血流の低下を改善させる「抗けいれん薬」、ホルモンのリズムや自律神経を整える「漢方薬」などを、必要に応じて単独で、または組み合わせて使います。ただし線維筋痛症の場合、薬物療法だけで、必ず効果があるというものではありません。

眠気やふらつきといった薬の副作用が出る場合もあるため、治療方針については医師と患者の間で充分に話し合って検討されます。そして、薬物療法で一定の効果が得られても、症状の変動が大きいので、心理療法や生活指導も並行して行割れます。

心身のストレスに強くなるための呼吸法やマッサージ、自律訓練法などのリラクゼーション法を患者自身が身につけることは効果的であり、筋肉をほぐし、体をやわらかくするためにウォーキングや水泳、ヨガなどの運動療法もすすめられます。

カウンセリングをはじめとする心理療法によって、日常生活の変化やストレスに対応できるようにすることも効果的です。薬物療法とこのような生活改善、心理療法で、患者の6〜7割は症状の改善が見られるといいます。痛みが続いているときは、どうしようもないとあきらめず、ぜひ専門医を受診しましょう。

まとめ

今回はレディー・ガガさんの公表で注目を集めた難病「線維筋痛症」について解説いたしました。全身の痛みが長く病気であり、痛みの症状は様々、抗鬱薬や抗けいれん薬や漢方薬などを服用しながら医師と患者の二人三脚で治癒を目指していく治療法が一般的とのことです。

一見すると症状が和らいでいるような時は頑張って「スイッチ」を入れている時が多いといいます。大切な場面で頑張った後は数日間はダウンしてしまうことも珍しくないのです。ガガさんのようにステージに立つような仕事のケースでは、これまで自身に相当な無理を強いてライブ活動を行なっていたのではないかと分析できます。

身近に当事者の方がいらっしゃる場合は、病気への理解を示し、症状の軽減につながるための生活改善や環境の構築に協力して差し上げることが大切になるでしょう。

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