脳

脊髓小脳変性症は、手足の動きがぎこちなくなり、運動や動作が思うようにできなくなる運動失調が症状の中心となる病気です。命に関わることはありませんが、長い年月をかけて寝たきりになってしまうケースも珍しくない重篤な病気です。今回は脊髓小脳変性症について解説いたします。

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脊髄小脳変性症とはどのような症状の病気なのか?

脊髓小脳変性症とは、小脳の一部が変性し、運動機能に障害が出る神経難病です。全体的な症状としては、歩行が不安定になったり、眼球の動きに障害が出たり、手仕事がしにくくなったり、言語障害もおきます。

特定の病気を指すのではなく、さまざまな原因で起こる小脳性の運動失調症状の総称です。病状はゆっくりと進行し、急激に悪化することはありません。受診科は神経科や神経内科になります。

小脳は、動作や運動がスムーズにできるように調整している器官です。脊髄小脳変性症はこの小脳と脳幹が変性し、萎縮する病気で、障害のおきる部位と症状によって、フリードライヒ失調症やメンツェル型失調症、ホルムス型失調症などに分かれます。

小脳が障害を受けると、歩く時にふらついたり、一歩を踏み出そうとすると足が突っ張って震えたり、歩行が不安定になります。頭がふらつくので安定させようと足を突っ張って広げるような姿勢をとることもあります。特に暗い場所や見知らぬ場所、ほかのことに気をとられている時などにふらつきは生じます。手指も物をとろうと目的をもって動かそうとすると、指先が震えて字もうまく書けません。しかし、手足の筋力は正常です。

言語面では、言葉がなめらかに出てこなくなったり、ろれつが回らなくなったりします。目がちらつき、二重にものが見え、声帯麻痺や嚥下障害が起こり、表情は消えて、知能が低下することもあります。脳幹が障害を受けると、運動麻痺、パーキンソン症状、自律神経症状も伴います。病状は数十年かけてゆっくりと進行しますが、生命にかかわることはありません。ただし数年から20年を経て寝たきりになる事例もあります。

発病する年齢や病型により、症状および進行には個人差があり、最終的には寝たきり状態になることもあります。自律神経機能障害や、末梢神経障害が現れることもあります。

【症状】

  • 運動失調:歩行時、起立時にふらつきがあり、スムーズな動きができない
  • 手の震え(手の細かい動作が国難、習字国難)
  • 構音障害:舌がもつれて言葉がはっきりしない状態
  • 眼振:目のちらつき。ものが二重に見える
  • 言語障害:言葉が不明瞭で聞き取りにくい。
  • 嚥下障害:食べ物や水分が飲み込みにくくなる

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脊髄小脳変性症はどのような原因で発症するのか?

脊髄小脳変性症の原因ははっきり解明されていません。遺伝性で発症する場合と、非遺伝性(孤発性)のものとがあります。遺伝性のほうが、比較的若年で発症します。遺伝性の場合、多くは遺伝子診断が可能になってきています。

非遺伝性のものは、進行すると小脳、脳幹、脊髄、自律神経系などの多くの系統に同じような変性を起こすことから

  • 多系統萎縮症(MSA)およびその他の症候性小脳変性症
  • 孤発型皮質小脳変性症(CCA)

に分類されます。

【原因】

  • 不明
  • 遺伝性のものは近年原因遺伝子が次々と発見されている

脊髄小脳変性症はどのようなリハビリを行うのか?

脊髄小脳変性症に確実な治療法はありませんが、運動失調の対症療法として、甲状腺ホルモンの刺激剤が使われます。甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)のタルチレリン水和物が治療薬として用いられます。症状を和らげる薬剤を服用しながら、リハビリテーションを行い、運動機能の低下を防ぎます。リハビリの際は転倒に気をつけ、無理のない範囲で身体を動かすようにしましょう。

また、自律神経症状により、排尿障害、便秘など、排泄障害が出現します。外出先での排泄の失敗から、ひきこもりがちになることもあります。外出時のパッド使用や早めのトイレ誘導の配慮が必要になります。

独特の膝折れ歩行は転倒しやすいため、可能な範囲での住宅改造(手すりの設置など)や福祉用具の活用なども検討するようにしましょう。

まとめ

今回は脊髄小脳変性症について解説いたしました。発症する原因ははっきりわかっていませんが、遺伝性の症状については近年になって次々と原因となる遺伝子の解明が進んでいるため、今後の医療の進歩に期待が寄せられています。しかし、現在のところは有効な薬はないので、発症した場合は症状に応じた薬剤を使用し治療していくことになります。

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