海藻類の栄養成分や健康効果と抗がん作用などの効用を活かす食べ方

海藻類は良質のタンパク質・ビタミン類・ミネラル・食物繊維等、バランスよく豊富に含んでいることから”海の野菜”と呼ばれています。そのうえ、昆布やわかめなど褐色の海藻には、発癌抑制効果があることが次々と発見されています。

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海藻類に含まれる栄養成分

海藻類の成分と効用

栄養成分 はたらき
カリウム  血圧を下げる
 β-カロテン 抗酸化作用
がんの予防
クロロフィル 抗酸化作用
 がんの予防
 ビタミンC がんの予防
抗酸化作用
ビタミンE がんの予防
抗酸化作用
食物繊維  コレステロールを下げる
便秘の予防改善
がんの予防
 カルシウム 骨を丈夫にする
ヨード 甲状腺障害の改善
 ラミニン 血圧を下げる
貧血の予防・改善
【コンブ】U-フコイダン がん・腫瘍を抑える
【ワカメ】U-フコイダン がん・腫瘍を抑える

真昆布10g中の主な栄養成分

※常用量10g=14cm角1枚の栄養成分値

栄養成分 はたらき
カロテン  110μg(0.11mg)
 ビタミンC 2.5mg
ビタミンE 0.09mg
食物繊維 2.71g
カルシウム 71mg

コンブに含まれる多糖類の一種、U-フコイダンには優れた抗癌作用があります。他に特有の成分として血圧降下物質で知られているラミニンがあります。その他、真コンブの栄養成分としては、10g中に鉄0.39mg、カリウム610mg、亜鉛0.8mgが含まれ、ミネラル類の宝庫でもあります。

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海藻類に含まれる栄養成分の健康効果

U-フコイダン

がん細胞の自滅を促す

宝酒造のバイオ研究所と、弘前大学医学部内に設けられた糖鎖研究所との共同研究では、ワカメ、昆布、ひじきなどの褐藻類に含まれるU-フコイダンという多糖類に、がん細胞を死滅させる作用があることを発見しています。

ヒトの結腸癌細胞1万個を入れたシャーレにコンブのU-フコイダンの溶液を注入したところ、24時間後にはがん細胞の半分が、72時間後にはほぼ消滅していたのです。一方、U-フコイダンを注入しなかったがん細胞は、72時間後には10倍に増加していました。

さらに、このがん細胞の消滅は、がん細胞の遺伝子が細胞自身の遺伝子分解酵素によって破壊され、細胞が自滅していく「アポトーシス」であることも突き止めました。U-フコイダンは、正常な細胞には全く影響を及ばさず、がん細胞だけを自殺に追い込んだのです。

U-フコイダンが、人間の体内に取り込まれた場合でも同じ作用を及ぼすかは、まだ研究途上ですが、いずれは副作用のない抗がん剤が誕生するかもしれません。

β-カロテン、ビタミンC・E

発ガン物質の吸収を抑える

もう一つ、海藻類のがん抑制効果を示す興味深い研究報告を紹介しましょう。

北里大学衛生学部の山本一郎教授(当時)らは、昆布やわかめなど6種類の海藻を粉末にして、6グループに分けたラットの餌に、それぞれの粉末2%を混ぜて与えました。さらにもう一方のグループには、何も混ぜていない普通のエサを与えました。それから27日後、すべてのグループに発ガン物質を投与し、152日目からエサを普通のものに替え、211日目に解剖したところ、普通の餌のみを与えていたグループの発がん率は69%だったのに対して、海藻の粉末を与えていた6グループは、いずれも発がん率が50%以内だったのです。

そこで山本教授らは、発ガン物質に特殊なマークをつけて、再び同じ実験を試みました。その結果、海藻の粉末を摂取すると、発ガン物質の吸収が阻害されることが分かったのです。また、別のテストでも、海草からの粉末や抽出液が、がん細胞の増殖を阻止するという結果が得られています。

こうした海藻類の抗がん作用は、上述のU-フコイダンなどの多糖類のほか、抗酸化作用のあるβ-カロテンやビタミンC・E、そして次に述べる食物繊維が豊富に含まれているためと考えられます。

食物繊維

脂肪を下げて、大腸がん・乳がんを防ぐ

海藻類に豊富な食物繊維は、発ガン物質を吸着して体外に排泄します。また、便通をよくして、発ガン物質が腸壁に接触する時間を短くするほか、発ガン物質の産生を高める悪玉菌の増殖を抑える作用もあるので、大腸がんの予防に有効です。

また、コンブやワカメのぬめりは、水溶性食物繊維のアルギン酸によるものです。アルギン酸には、コレステロールを下げる働きがあります。脂肪過多は大腸がんや乳がん、子宮頸がんのリスクにもなりやすいので、海藻類はこれらの予防にも効果的といえます。

海藻特有の多糖成分

海藻に含まれる食物繊維のうちでも、ヌルヌルした粘性を持つ多糖成分が注目されています。海藻の種類によって含まれる多糖成分が異なります。

コンブやワカメ、もずくのような褐藻の多糖成分はフコイダン、アルギン酸です。テングサやオゴノリから抽出されるのは寒天、アサクサノリからはポルフィラン、フノリからはフノラン、そのほか多くの紅藻からはカラギーナンと呼ばれる多糖類が抽出されます。

これらの多糖成分は、いずれも水に溶けやすい細かい線維が水分中に拡散しているために、ぬめりがあり、ゲル化して固まりやすい特性を持っています。コレステロールや血糖の上昇を抑える働きのほか、抗がん性のあることがわかり、阻止率や延命率について研究が進んでいます。

海藻類の抗がん作用を活かす効率的な食べ方

生のままでも加熱してもだし汁だけでも効果あり

四方を海に囲まれた日本では、古くから海藻類は大切な栄養供給源でしたが、食生活の欧米化に伴って、どうも影が薄くなりつつあるようです。いま一度、海藻類の良さを見直して、コンブ・ワカメ・ヒジキ・ノリなどを積極的に摂りましょう。

海藻類は、天然物でも養殖物でも栄養成分的には差がありません。ただ、生と乾燥したものでは多少違い、乾燥したもののほうがミネラルが多くなります。

調理法は、生でも煮ても構いません。酢の物や煮物にしたり、サラダや味噌汁に入れるのも良いでしょう。コンブはだし汁にもできます。また、手軽に飲めるコブ茶などもお勧めです。

ただし、ワカメや昆布を煮物に使うときは、沸騰させないように注意します。沸騰させるとアルギン酸が溶け出して、味が落ちてしまうばかりか、せっかくの有効成分が失われてしまうからです。

いろいろな種類を毎日少しずつ

ラットの実験では、エサに2%の海藻を混ぜることで効果が得られました。個人差はありますが、人間に必要な1日の摂取エネルギーは2,000kcalです。これを栄養バランスの良い固形飼料に換算すると約400g。その2%というと、1日8gの海藻を食べればよい計算になります。

しかし、その後の研究によって、こんなにたくさん食べなくても、効果が得られることがわかりました。また、海藻類によって成分も少しずつ異なるので、いろいろな種類の海藻を毎日少量ずつ摂るようにしましょう。昆布なら3〜4cm角を1枚、焼き海苔なら市販の小さなパック入りのものを3〜4枚程度で十分です。

むしろ、摂り過ぎは良くありません。特にコンブには、甲状腺機能を低下させるヨードがかなり含まれているので、大量に摂ると甲状腺機能低下症を招くことがあるので注意してください。

自家製コブ茶の作り方

コンブは料理として食べる機会がなかなか少ないので、常食できるように工夫しておくと便利です。昆布茶は少量ずつですが毎日手軽に飲めるのでお勧めです。
①昆布は小さめに刻み、とろろ昆布は手でちぎって小さくしておきます。
②ミキサーにかけて粉末にします。原則として塩は加えません。カラカラに乾燥させた梅干しの果肉を加えて、一緒にミキサーにかけると、梅の香りと塩味がつきます。
③昆布の粉末小さじ1に湯呑1杯程度のお湯を注いで飲みます。

まとめ

今回は海藻類に含まれる栄養成分と健康効果について開設いたしました。海藻といえばミネラルが豊富なイメージが強いですが、それ以外にも抗がん作用に優れた成分をたくさん含んだ健康食材ですので、ぜひ様々な海藻類を食べるようにしていきましょう。

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