パーキンソン病とはどんな症状の病気なのか?原因やリハビリの内容は?

パーキンソン病は震えや運動障害や歩行困難が徐々に進行する病気です。歩行時の危険が伴うようになるため、家族や周囲の方々が病気に対する理解を深め、本人をサポートしていくことが必要になります。今回はパーキンソン病について解説いたします。

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パーキンソン病とはどのような症状の病気なのか?

パーキンソン病とは、脳でつくられる運動機能を調整する神経伝達物質(ドーパミン)が変性して、情報の伝達がうまくいかなくなり、動作ができなくなる病気です。50〜60歳代で発症することが多く、徐々に進行します。患者数は日本全国で14万〜15万人といわれ、人口の長寿化にともない増加傾向にあります。

手足の震え(振戦)、手足のこわばり(筋固縮)、緩慢な動作(寡動・無動)、よく転ぶ(姿勢反射障害)が代表的で、これをパーキンソン病の四徴といいます。

振戦では、最初は片側の手や腕がリズミカルに震え、手指は丸薬を丸めるように震え、この震えが足にもみられるようになり、次いで反対側の手足に及びます。

また、頭を前後に振ることもあります。本態性振戦が横に頭を振るのに対して、パーキンソン病の場合は縦に振るのが特徴です。じっとしているような安静時に振戦は現れます。これを安静時振戦といい、パーキンソン病の振戦の特徴です。

筋固縮に振戦をともなうと、動作はまるで歯車が動いているような筋肉のかたさ(歯車様筋固縮)、ぎこちなさがあります。

寡動・無動で、歩くときは前のめりで、腕の振りは少なく小刻みです。これをパーキンソン歩行といいます。

また、足を踏み出そうとしても、足が前に一歩出ないすくみ足や、歩き始めると加速度がついて止まらず、どんどんつんのめるように歩く加速歩行が特徴です。

顔の表情も乏しくなって、まばたきも減り(仮面様顔貌)、声も小さく低く抑揚がなく、言葉が不明瞭になります。小字症といって、字が小さくなってしまうというようなことも生じます。

姿勢反射障害のため姿勢を保つことが難しく、姿勢が傾くこともあります。

そのほか、自律神経の失調で便秘がちになり、よだれが止まらず、立ちくらみがするなどの症状が出たり、うつ症状や認知症、睡眠中に殴る・蹴るなどの動作をする異常行動、脚を虫がはうようにむすむずする異常感覚(レストレスレッグス症候群)などの症状が現れることもあります。

パーキンソン病そのものは命への影響はなく、天寿をまっとうできる病気です。症状が軽い場合には、日常生活にも支障なく、社会生活を送ることができますが、転倒による骨折、誤嚥による肺炎などで寝たきりになることがあるので注意が必要です。

【症状】

パーキンソン病の四徴

  • 振戦:自分の意思とは関係なく、手足が規則正しく震える症状。安静時に起こり、左右どちらかに強く現れる
  • 筋固縮:動作を受けるような受動的な筋肉の動きに対して、手足がこわばり、突っ張らせる
  • 動作緩慢(寡動・無動):動作が遅く緩慢になること。歩行も遅くなり、歩幅が小さくなる。運動量も減る
  • 姿勢反射障害:姿勢を立て直すことができなくなるので、身体が倒れ始めると止めることができ図、すぐに転倒する

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パーキンソン病はどのような原因で発症するのか?

中脳の黒質というところの神経細胞は、ドーパミンという神経伝達物質を作っています。このドーパミンは、姿勢を保つようからだのバランスをとり、運動を調整するはたらきのある大脳基底核に刺激を伝達しています。

ところがパーキンソン病では、中脳黒質が変性(形態的に変化)してドーパミンの産生が少ないために情報の伝達がうまくいかなくなり、動作や運動に支障をきたすとされています。

しかし、なぜ中脳黒質が変性して、パーキンソン病が発症するのかははっきりしていません。中脳黒質の変性は遺伝的要素と環境的要素が関係していると考えられます。多くは遺伝しませんが、5%程度に遺伝性パーキンソン病がみられます。

【原因】

  • 原因不明
  • ごくまれに遺伝子異常

パーキンソン病はどのような治療やリハビリを行うのか?

パーキンソン病は神経内科を受診します。ゆっくり進行するので、症状に気づきにくく、発見は遅れがちになります。現在のところ、決定的な治療法はありません。症状があっても日常生活に差し支えなければ、しばらく経過を観察していきます。

日常生活を活性化させることでドーパミンの分泌を促します。楽しく過ごす日常の生活リズムづくりをしてみてください。

日常生活に支障をきたす場合には、薬物療法を行います。不足するドーパミンを補うために、脳の中でドーパミンに変わるLドーパという前駆物質を用います。ただ、この薬は長期に使用するうちに効果がなくなり、症状の変動が激しくなったり、意思によらない不随意運動を生じさせることがあります。そのような場合には、ドーパミン受容体刺激薬などを併用します。

薬の効いているとき、効いていないとき(ON-OFF現象)がはっきりと分かれ、OFFでは身体がまったく動かなくなります。内服薬の時間を一定にします。

薬剤治療と併用するのがリハビリテーションです。運動機能の保持や痛みの解消を行い、日常生活を安定させます。医療保険のリハビリが対象となる場合があります。

さらに、薬物療法が難しかったり、不随意運動などの副作用が生じたりした場合には、大脳基底核の中の部分を温熱凝固(破壊術)したり、電極を埋め込んだり(脳深部刺激療法)する外科手術を行うこともできます。ただし、これは症状の改善が目的の手術なので根治的なものではありません。

症状が進行して思うような動きができず、不随意運動などが生じると、うつ傾向になりますが、こういうときこそ、家族の温かい励ましが必要です。出不精になりがちなので一緒に背伸びや深呼吸をしたり、散歩や買い物などに出掛けたり、リハビリテーションのためのストレッチ運動をしたりして、患者さんのからだの姿勢矯正や機能保持ができるように、無理のない範囲でからだを動かす機会をつくるようにしましょう。

食事はこれまでどおりでよいのですが、食物は飲み込みやすいように、とろみをつけたり、小さく刻んだりすると良いでしょう。また、食事中の姿勢にも気をつけ、誤嚥に注意してください。

まとめ

今回はパーキンソン病の症状や原因やリハビリについて解説いたしました。決して命に関わる病気ではありませんが、歩行困難や振戦などの運動機能の障害により、生活の質は大きく低下しがちになります。ご家族をはじめ周囲の方々が本人の心身のサポートをして差し上げる環境を作ることが重要です。今回の記事が少しでもお役に立てば幸いです。

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