牛乳の栄養成分の健康効果と効率的な飲み方やレシピ

人間をはじめとする哺乳類の赤ちゃんが、生後しばらくの間、ミルクだけで成長できるのは、ミルクに生存と成長に必要なだけの成分が含まれているからです。

その代表が、良質なたんばく質とカルシウムです。たんばく質は、臓器、筋肉、皮膚、血液など、体を作る上で欠かせない成分であり、カルシウムはその体を支える骨格をつくるのに絶対不可欠です。さらにたんばく質は、体が機能する上で必要なホルモンや酵素、免疫物質を作る材料にもなります。

これらの成分をたっぷり含む牛乳は、赤ちゃんの健康を守るだけでなく、大人のガン予防にも効果があります。現に、牛乳を飲んでいる人にはがんが少ないことが、疫学調査によっても確かめられています。

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牛乳に含まれる栄養成分

牛乳の成分と効用

栄養成分 はたらき
ラクトフェリン がんの予防
 β-カロテン がんの予防
抗酸化作用
 ビタミンE がんの予防
抗酸化作用
脂質 がんの予防
消化器の粘膜を保護する
ペプチド類 がんの予防
 カルシウム 骨を丈夫にする
イライラ・神経の高ぶりを鎮める
 カリウム 血圧を下げる
 ビタミンB2 過酸化脂質の害から体を守る
 リン 神経・筋肉の機能を保つ
 たんぱく質 体の抵抗力をつける

牛乳200ml中の主な栄養成分
※常用量200ml=1本の栄養成分値

栄養成分 含有量
カロテン 12μg(0.012mg)
ビタミンE 0.2mg
 カルシウム 260mg
たんぱく質  7.2g
 カリウム 280mg

牛乳の抗がん成分はラクトフェリン、ペプチド類、脂質などがります。その他に微量ながらβ-カロテンとビタミンEも含まれています。また、牛乳の豊富なカルシウムとカリウムは血圧の高い人には欠かせない成分です。牛乳のカルシウムは体内での吸収率も50%と非常に高くなっています。

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牛乳に含まれる栄養成分の健康効果

ラクトフェリン、ペプチド類

がんに対抗する免疫力を高める

私たちの体は、さまざまな発がん物質の攻撃に絶えずさらされており、これがガン細胞の発生と増殖を促しています。しかし、生体にはそれを防御する免疫機能が備わっており、この機能がスムーズに働いている限り、がんは発病しません。特にNK(ナチュラルキラー)細胞は、がん細胞を直接攻撃する免投細胞であり、がん細胞をいち早く探し出してつぶす重要な細胞です。NK細胞の後でマクロファージやT細胞が出てきて、がん細胞を攻撃して破壊し、増殖を妨げてくれるのです。

国立がんセンター研究所化学療法部の津田洋幸部長は、ラクトフェリンがNK細胞を活性化して、肺へのがんの転移が抑えられたことを発表しています。

牛乳に含まれる、ラクトフェリンというたんばく質や消化酵素の働きで、アミノ酸、NK細胞、ペプチドという物質に分解されたものにはマクロファージ機能性を活性化して、がんに対抗する免疫力を高める働きがあると考えられます。

脂質

消化器の粘膜を保護してがんを防ぐ

群馬大学医学部では、牛乳が免投力を高めて、がんを抑制する作用をもっていることを動物実験で証明しています。

実験では、発がん物質を与えたマウスに、市版の成分無調整牛乳を飲ませて、免疫機能がどのように変化するかを調べました。すると、牛乳を与えなかったマウスは免疫機能が弱ってきましたが、牛乳を与えたマウスは、免疫機能が健康なマウスと同じぐらいの強さを保っていました。そればかりか、がん細胞を退治するマクロファージの数値が、健康なネズミよりも高かったのです。

また、別のテストで、皮膚にがん細胞を移植したマウスに、牛乳を毎日飲ませたところ、明らかにがん細胞の増殖が抑えられていたといいます。これらの実験結果だけでも、牛乳ががん予防に有効であることは確かですが、牛乳にはさらに別の抗がん作用もあります。牛乳に含まれるたんばく質や脂肪は、食道や胃壁の粘膜を保護して、がん細胞の発生を防いでくれるのです。つまり、食道がんや胃がん予防に効果的ということです。

また、牛乳にはビタミンCと食物繊維以外の栄養素がバランスよく含まれています。栄養バランスがよいと、体の新陳代謝も活発になります。代謝が活発になれば、免疫力も高くなります。

東京都の老人総合研究所の調査によると、牛乳を毎日飲んでいる人のほうが、飲んでいない人よりも長生きであることがわかっています。牛乳は赤ちゃんだけでなく、大人にとっても”生命の泉”なのです。

マサイ族に高血圧がほとんどみられない秘密

中高年になると、高血圧になる人が増えてきます。しかし、アフリカのサバンナで牛を飼って暮らしているマサイ族には、高血圧がほとんど見られません。彼らは世界で最も血圧の低い民族なのです。

これは、マサイ族の食生活が大きく関係しています。彼らは、主食のウガリ(トウモロコシの全粒粉を練ったもの)に牛乳を混ぜて食べたり、牛乳をキブユと呼ばれるひょうたんに入れて発酵させ、自家製ヨーグルトにしたりして、なんとー日に3~10Lもの牛乳を摂取しているのです。彼らはナトりウムも牛乳からだけで摂り、それ以外で塩分は一切とっていないのです。

つまり、牛乳だけで必要なナトリウムを補っているマサイ族は、塩分過剰になることもないので、高血圧になることもないのです。

牛乳に含まれる栄養成分や抗がん作用を活かすレシピ

そのまま飲むのがベスト。料理に加えて摂取量を増やす

日本人の健康志向によって、脂肪分を減らした低脂肪乳が売れているようです。脂肪が少ないぶん、肥満予防には有効ですが、がん予防の面ではどうなのでしょうか。

先に述べたマウスの実験では、成分無調整の牛乳を用いていましたが、低脂肪のものは若干効果は落ちたものの、それほど大きな差はありませんでした。したがって、脂肪が気になる人は低脂肪乳でもかまわないでしょう。

牛乳に含まれるたんばく質は熱に弱いため、そのまま飲んだほうが効果的です。また、胃粘膜保護の効果も期待するなら、食前に飲むことをおすすめします。

牛乳を飲むとお腹がゴロゴロしたり、腹痛や下痢を起こす人がいます。これは乳糖不耐症といって、牛乳に含まれる乳糖を分解する酵素が体内に少なく、乳糖が分解されないまま大腸に到達して、腸管を刺激するため起こるものです。赤ちゃんのころは、誰でも乳糖分解酵素を持っているのですが、成長するにつれて少なくなってしまう人がいるのです。

こういう人は、牛乳を温めて、少量ずつ噛むようにして飲みます。あるいは、シチューやグラタン、プディングなど、料理に牛乳をどんどん利用することです。パナナシェイクにしたり、コーヒーや紅茶に入れたり、くだものや飲み物で割ってもよいでしょう。

β-カロテンが摂れるニンジン牛乳

あわただしい朝には、ごくっと飲めるβ-カロテンたっぷりのニンジン牛乳はいかがでしょうか?牛乳のコクで、ニンジンが苦手な人にも飲みやすくオススメです。
①ニンジン1/2本と、リンゴ1/4個を適当な大きさに切る。
②牛乳200mlに①とハチミツ大さじ1を加え、ミキサーにかける。ハチミツの量は好みで加減しても良い。

適量は1日にコップ3杯

マウスの場合、1日0.2mlの牛乳を飲むことで、抗がん効果が得られました。これを体重60kgの人間に換算すると約600ml。っまり1日にコップ3杯の牛乳を飲めばよいということです。

毎日、食前に1杯の牛乳を飲む習慣をつけましょう。牛乳があまり好きではない人や、飲むとお腹が痛くなる人は、先にも述べたように、コーヒーや紅茶に入れたり、料理にどんどん利用することです。

「免疫ミルク」って、どんなミルク?

最近、薬局や薬店などで見かけるようになった「免疫ミルク(スターリミルク)」は、アメリカ・オハイオ州のスターリ研究所が開発したもので、強力な免疫活性作用をもつ粉ミルクです。

生体の免疫機能を高めるラクトフェリンは、大腸がん予防にも有効であることが、ラットの実験によって確認されています。このラクトフェリンは、母乳にはたくさん含まれているのですが、残念ながら牛乳にはそれほど多くは含まれていません。

そこで同研究所は、母乳以上のミルクをつくろうと研究を重ね、ラクトフェリンをはじめ、免疫活動に関わる様々な物質を含むミルクの開発に成功したのです。
免疫ミルクの有効性は、多くの研究機関で確認されています。また、臨床現場でも用いられており、がん治療を受けている患者に免疫ミルクを飲んでもらったところ、体調がよくなっただけでなく、抗がん剤や放射線治療による副作用が緩和されたという報告も出ています。

まとめ

今回は牛乳の栄養成分について解説いたしました。強い骨を作るためのカルシウムが豊富なことで広く認知されている牛乳ですが、抗がん作用も高いということで、ますます積極的に飲んでいきたいものですね。1日600ml程度の摂取をぜひ心がけてみてください。

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