メタボリックシンドロームとは?診断基準や予防法や対策は?

メタボリックシンドロームと聞くと、単純にお腹まわりに脂肪が増えてきた状態を指す言葉のように思われるかも知れませんが、きちんとした診断基準があります。そして、メタボになると、どのような病気になりやすいのか、またどのような改善策があるのでしょうか?今回はメタボリックシンドロームについて解説いたします。

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メタボリックシンドロームとは?

生活習慣病は、それぞれの病気が別々に進行するのではなく、お腹のまわりの内臓に脂肪が蓄積した「内臓脂肪型肥満」が大きく関わるものであることがわかってきました。そして、内臓脂肪型肥満に加えて、脂質異常症、高血圧症、高血糖症のうちいずれか二つ以上が併発している状態が、メタボリックシンドロームと呼ばれる症状です。

メタボリックシンドロームは「血糖値がちょっと高め」「血圧がちよっと高め」といった、それぞれは病気とは診断できない予備群であっても、併発することで動脈硬化が急速に進行し、様々な病気を引き起こします。

メタボリックシンドロームが疑われる主な病気は

  • 2型糖尿病、耐糖能障害
  • 脂質代謝異常
  • 高血圧
  • 高尿酸血症、痛風
  • 心筋梗塞
  • 狹心症
  • 脳梗塞
  • 睡眠時無呼吸症候群
  • 脂肪肝
  • 変形性関節症、腰痛症

などがあります。食べ過ぎたり運動不足では、体内に余剰なエネルギーが脂肪として蓄積し、脂肪細胞は肥大化、また大型脂肪細胞が増加します。つまり、体重とくに腹囲が増加します。

肥大化して大型になった脂肪細胞から悪玉の生理活性物質が多く放出されます。これが、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が高くさせたり、血圧を上昇、また中性脂肪を増加させます。

メタボリックシンドロームを放置すると、動脈硬化を進行させ、心血管疾患、脳血管疾患などを発病させます。

メタボリックシンドロームの診断基準とは?

内臓脂肪の過剰な蓄積が高血糖、高血圧、脂質異常を引き起こすといった病態をメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)といいますが、具体的な診断基準は次の通り定義されています。

【腹囲】

  • 男性の場合は85cm以上
  • 女性の場合は90cm以上

かつ、次のA・B・Cの異常の2項目を満たすとき

【A.脂質異常】

中性脂肪(トリグリセライド)150mg/dl以上あるいは
HDLコレステロール40mg/d未満
あるいはこれらの薬物治療を受けている場合

【B.血圧異常】

収縮期(最高)血圧130mmHg以上
あるいは
拡張期(最低)血圧85mmHg以上
あるいは高血圧の薬物治療を受けている場合

【C.糖代謝異常】

空腹時血糖110mg/dl以上
糖尿病の薬物治療を受けている場合

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メタボリックシンドロームの予防法や対策は?

メタボリックシンドロームは、食べ過ぎや運動不足など、悪い生活習慣の積み重ねが原因となって起こるため、生活習慣の改善によって予防や改善が可能です。

腹囲・内臓脂肪を減らす5つのポイント

カロリーが高くなる調理法はなるべく控える

高エネルギーの食事を改善するには、まず、調理法に気を配ることが有効です。例えば、ナス2本を材料に料理を作る場合、調理法によって次のようにエネルギー(カロリー)が違ってきます。

  • 焼きナス…………22kcal
  • ナスの油炊め…105kcal
  • ナスの天ぷら…220kcal

同じ材料、つまり栄養素は同じであっても、油を使った料理はエネルギーが5倍〜10倍も高くなってしまうことがおわかり頂けると思います。天ぷらやフライはできるだけ控え、焼く、煮る、蒸すなどの方法で調理をしたものを食べ、体脂肪を減らしましょう。

主食は量を決めてとり甘いデザートは控えめに

糖質の摂り過ぎも、体脂肪を増やす原因になります。ただし、ご飯やイモ類などの炭水化物は吸収が遅いので脂肪になりにくいという特徴があります。量を決めて、主食は必ず摂りましょう。こはん1膳、パン1枚のエネルギー量を把握して、毎食適量にとどめましょう。

一方、砂糖や果糖は体内に入ると、たちまち分解されて体脂肪を増やします。甘いデザートや加工品のフルーツジュースの飲み過ぎに注意しましよう。

脂肪を多量にとると血液中の脂肪が大幅に増えますが、同時に砂糖をとると脂肪組織への取り込みが加速します。ケーキなど乳脂肪と砂糖を含むデザートは控えましょう。また、アルコールもエネルギーが高く、飲みすぎると体脂肪を増やします。

覚えておきたい主食の適量(1食あたり160kcal換算)

  • ごはん茶碗1膳(約110g)
  • 食パン6枚切り1枚
  • 茹でうどん2/3玉強(約160g)
  • 茹でそば1玉(約120g)
  • もち2枚

野菜や海藻などの低エネルギー食品を多くとる

高エネルギーの食品は控え、低エネルギーの食品は十分にとって、栄養のバランスを整えましよう。

野菜やキノコ、海藻などは、エネルギーが低く、生活習慣病の予防に欠かせないビタミン、ミネラル、食物繊維を豊富に含んでいます。また、噛みごたえがあるので満腹感が得られ、料理のカサを増やして見た目の物足りなさを補う働きもあります。

ただし、調理法によっては高エネルギーになりかねないので、調理法を工夫しましょう。

  • 野菜は天ぷらより煮ものやおひたしにする
  • 炒める時はフッ素樹脂加工のフライパンを使い、油脂は少なめにする
  • 野菜や海藻のサラダは、ノンオイルタイプのドレッシングで調味する

低エネルギーで食物繊維が豊富な食品としては、海藻類、きのこ類、野菜などがおすすめです。

外食するときは単品よりも定食を選ぶ

家庭では比較的エネルギーのコントロールがしやすいものですが、外食の時はそうもいきません。低エネルギーで栄養バランスのとれた外食をするには、次のような点に注意しましょう。

  • ボリューム感より、具だくさんであることを重視する
  • カレーや丼ものなど主食主体の単品より、品数のそろった定食を選ぶ
  • そばやうどんのメニューは、野菜やたんばく質の食品が補えるものを選ぶ

また、宴会やパーティーなどで、やむを得ず高エネルギーの食事をしてしまうこともあります。そんな時は、翌日の食事を意識して低エネルギーにしましよう。気にしすぎず、次の日に過不足の調整を行なうようにすれば無理なく習慣化できるでしょう。

有酸素運動で基礎代謝を高め、体脂肪を燃やす

体脂肪を減らすには、食事のコントロールとともに運動が欠かせません。運動をせずに食事量を減らすと、体脂肪だけでなく筋肉も落ちてしまいます。また、食事を減らして体を動かさずにいると、体が少ないエネルギーの状態に慣れてしまい、逆にやせにくい体になってしまいます。

体脂肪を減らす運動にもっとも適しているのは、ウォーキングやアクアエクササイズ(水中運動)、ストレッチなどの有酸素運動です。有酸素運動には、次のような効果があります。

  • 基礎代謝を高める…運動は、加齢による基礎代謝の低下を防ぎ、太りにくい体にする
  • 体脂肪を燃やす…息があがらない程度に酸素を取り込みながら行なう有酸素運動は、じんわりとエネルギーを消費するので、効率よく体脂肪を燃焼させる
  • 筋力の低下を防ぐ…筋力があると、高齢になって問題となる転倒の予防に効果がある。また、糖尿病の悪化防止に役立つ
  • ストレスを解消する…食事でエネルギーのコントロールを続けていると、ストレスがたまりがち。適度な運動は気分を爽快にして、ストレスからくるやけ食いやアルコールの多飲を予防する

週に1回体を動かすだけでは、体脂肪燃焼の効果は得られません。効果的に運動を行なうには毎日10分多く歩きましよう。移動手段のほとんどが車の人は運動不足になりがちですので、屈伸運動などで足の筋肉を使う時間を意識的に作るようにしましょう。

内臓脂肪を減らすのに効果的な運動

  • ウォーキング
  • アクアエクササイズ
  • ストレッチ

まとめ

今回はメタボリックシンドロームについて解説いたしました。内臓脂肪の過剰な蓄積によってメタボになってしまった場合は、動脈硬化が進行し、重篤な病気の引き金となる危険性が非常に高まります。生活習慣の見直しによって改善が可能ですので、ぜひこれを機会に食生活や運動習慣など現在のライフスタイルをチェックしてみてください。

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