気管支喘息

気管支喘息は、気道(気管支)に炎症が起き、収縮することで呼吸が困難になる病気です。アレルギー反応で起こるアトピー型と、アレルギー以外の原因で起こる非アトピー型に大別できます。一度かかると、発作を繰り返すようになります。今回は気管支喘息について解説いたします。

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気管支喘息とはどのような症状の病気なのか?

気管支喘息は、呼吸時の空気の通り道である気道(気管支)が、急に収縮して狭くなり、呼吸が苦しくなる病気です。成人からの発症は非アトピー型が多く、重症となる場合があります。

気管支喘息の発作は、ある日、何の前触れもなく突然起こります。多くの人は夜間から早朝にかけて発症しやすい傾向があります。

喉や胸が詰まる感じがして目が覚め、「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という喘鳴が起こり、ひどくなると呼吸困難が生じます。喘鳴は、狭くなった気道を空気が通る音で、「ゼーゼー」は低い音、「ヒューヒュー」は高い音を表します。この状態を喘息発作といい、自然に、または治療により治まりますが、何度も繰り返し起こるのが特徴です。

気道の炎症が続くと、気道の粘膜が過敏になり、少しの刺激でも収縮しやすくなります。そして、発作の回数が増えると、炎症が回復しないまま、気道がどんどん狭くなり発作が起こりやすくなるという悪循環に陥ります。

そのほか、咳が続いたり、痰などの分泌物が増えたりしますが、軽い場合には発作だと気付かないこともあります。重くなると、苦しくて横になれず、座って呼吸をするほうが楽になります(起坐呼吸=きざこきゅう)。発作が治ってくると咳も軽くなり、痰の粘り気も少なくなって呼吸困難も治ります。

うっ血性心不全により喘息と類似した症状が見られることがあります。これを心臓喘息と呼ぶことがありますが、気管支喘息とはまったく異なる病態なので、鑑別診断を受ける必要があります。

【気管支喘息の主な症状】

  • 喘息発作:喘鳴(ヒューヒュー、セーゼーなど息をするたびに呼吸に合わせて音がする状態)、痰がからみ咳込む
  • 呼吸困難:呼吸がしづらくて肩で息をする状態

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気管支喘息とはどのような原因で発症するのか?

喘息は大きく分けて、アレルギーが原因で発症するアトピー型と、アレルギー以外が原因の非アトピー型の二つのタイプに分けられます。

小児の約9割、成人の約7割がアトピー型といわれ、ダニやハウスダスト、カビ、ペットのフケ、花粉などがおもなアレルゲンとなります。成人気管支喘息に多い非アトピー型では、風邪やインフルエンザなどの気道感染ウイルス、煙草の煙、薬、過労や不眠、ストレス、食品添加物、排気ガスなどが原因となります。まれに、アスピリンのような鎮痛剤が刺激となり発作を起こすこともあります。

これらが要因となり、気道の粘膜に慢性的な炎症が起こります。気道に炎症が起こると、気道の粘膜を覆っている上皮細胞がはがれ落ちて刺激に敏感な状態になります。

刺激された気管支は収縮を起こして気管支粘膜が腫れ、粘膜から粘液が分泌されますが、このような過程を経て気管支の内径が狭くなっていきます。喘鳴や呼吸困難は、このようにして空気が通りにくくなる結果起こるのです。

気道の粘膜に集まった好酸球、マスト細胞などの炎症を起こす細胞から放出されるヒスタミンやロイコトリエンなどの化学物質にも、気道を取り囲む筋肉を収縮させたり、痰などの粘液の分泌を多くする作用があります。このため、少しの刺激でも敏感に反応し、気道が一時的に収縮して喘息発作を引き起こします。

この炎症状態が治らずに続くと、損傷を受けた組織は元どおりには治らず、気道が不完全な状態で再生されていきます。これを気道のリモデリングといいます。リモデリングが起こると、刺激に対する気道の過敏性がさらに高まり、治療が効きにくくなり重症化を招きます。

【気管支喘息の主な原因】

  • アレルギー
  • ウイルス感染
  • 喫煙
  • ストレス
  • 家屋内のほこり
  • ダニ

気管支喘息の治療法は?

気管支喘息は、薬できちんと治療や管理をすれば、健康な人とほぼ変わらない生活を送ることが可能となっています。受診科は、内科、呼吸器科、アレルギー科、小児科などです。

喘息治療では、発作を止めるための対症療法と、発作を起こさなくするために根本から治す原因療法の2つがあります。

喘息の発作を抑える対症療法は薬剤が中心になります。この治療では基本的に、気管支拡張剤や鎮咳剤(咳止め)、去痰剤(痰を喀出しやすくするための薬)といった薬剤を使用します。漢方薬や貼り薬も処方されることがあります。特にひどい発作の場合は副腎皮質ステロイド系の薬剤を使います。内服薬より少ない量で効果が得られ、副作用もほとんど心配はありません。長期的に毎日使用しますが、忘れたり、自己判断でやめてしまうことがないようにします。薬物療法は、目的に合わせ次の二つに大きく分けられます。

  • 長期管理薬(コントローラー)
    慢性の気道炎症を抑えて発作を予防し、気道の状態を改善していくための薬です。発作がないときでも毎日定期的に使用することで、少しずつ気道の炎症状態が改善され、発作が起こりにくくなります。代表的な薬が抗炎症効果の高い吸入ステロイド薬で、現在の喘息治療の中心となっています。そのほか、喘息を悪化させるロイコトリエンのはたらきを阻害する抗ロイコトリエン薬、各種の抗アレルギー薬、テオフィリン薬、長時間作用性β2刺激薬などがあります。
  • 発作治療薬(リリーバー)
    発作が起きたときに、気道の腫れや収縮した状態を速やかに和らげ、狭くなった気道を広げて呼吸を楽にしてくれる薬です。代表的な薬が、β2刺激薬とよばれる気管支拡張薬です。吸入薬・内服薬のほかに、テープで貼る貼付薬があります。

発作を起こす原因が明らかな場合は、その原因物質を生活環境の中から取り除くことも重要です。中でも一番のアレルゲンといわれるダニの除去のため、掃除、寝具の手入れなど、家の中の環境整備をしっかりと行いましょう。また、発作の引き金となる風邪やインフルエンザなどの感染症、喫煙、ストレスなどにも十分な配慮が必要です。アスピリンを代表とする解熱鎮痛薬を服用することで発作を起こすこともあります(アスピリン喘息)。過去に風邪薬や解熱鎮痛薬を服用して具合が悪くなった人は注意しましょう。

ピークフローメーターという機器で息を吐く力を測り、日常的に記録しながら自己管理をしていくことで、気道の状態と発作の前兆を知ることもできます。

まとめ

今回は、気道が狭くなり発作を繰り返す気管支喘息について解説いたしました。薬剤療法を行なったり、原因物質を取り除くことで、健康な人と変わらない生活を送ることができるため、夜間から明け方にかけて咳き込むような症状が見られた時は、この疾患の可能性を疑って、早期に専門医に相談するようにしましょう。

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