うつ病

気分障害には、気分が落ち込む「うつ病」と、気分が高揚する躁状態が交互に現れる「双極性障害(躁うつ病)」、うつ病が長く続く「気分変調症」などがあります。

「うつ病」は単極性障害とも呼ばれます。双極性障害はうつ状態から発症することが多く、躁状態が現れるまで診断が難しい病気です。

今回はうつ病や躁うつ病などの気分障害について解説いたします。

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うつ病とはどのような症状の病気なのか?

うつ病とは、憂鬱な気分や落ち込んで何事も手につかないうつ症状が2週間以上続く状態です。多くの場合、食欲不振や頭痛などのからだの症状や、睡眠障害などのこころの症状も現れます。人によってはありもしないことを考える妄想が起きたり幻聴が聞こえることもあります。

うつ病は「抑うつ障害」や「単極性障害」とも呼ばれます。気分障害の75%はうつ症状のみの抑うつ障害といわれ、子供にも大人にもみられます。不安症や引きこもりとみなされている人の一部にうつ病が背景にあるといわれる一方、高齢者の場合は認知症と間違われやすいので注意が必要です。

【症状】

  • 気分(感情):抑うつ、悲哀感、不安、焦燥感
  • 意欲:意欲低下(精神運動抑制)
  • 思考の量的異常:低下(思考制止)
  • 思考の質的異常:悲観的、自責的、劣等感、自殺念慮、自殺企図
  • 身体:不眠(早期覚醒)、過眠、食欲不振、体重減少、頭重、肩こり
  • 病識:ある
  • 日内変動:ある(午前中に悪い)

【原因】

  • 遺伝的要因:未解明
  • アミン系神経伝達物質の異常や性格因子
  • 環境要因:仕事や家庭での変化

【治療】

抗うつ剤(うつ病、うつ症状)の内服を行います。抗うつ薬は、三環系、四環系、SSRIなど種類も様々で、効き方も副作用も違います。多くの場合は通院して、患者さんの様子を診ながら慎重に処方されます。効果が出るまでに時間がかかるため、一定期間の継続的な服用が大切です。

入院を勧められるのは、自宅にいるとストレスから逃れられないような時です。精神療法も並行して行われます。なかなか快方に向かわない時は、電気痙攣療法が行われることもあります。

躁うつ病とはどのような症状の病気なのか?

操うつ病は、気分の落ち込むうつ状態と高揚する躁状態の時期が交互にやってくる病気で、双極性障害とも呼ばれます。

躁状態とうつ状態の間は正常な状態になることが多いのですが、正常な状態が訪れないまま躁状態とうつ状態が現れることもあります。

症状の重さによって、躁状態とうつ状態の双極I型障害、軽躁状態とうつ状態の双極II型障害、軽躁状態と軽うつ状態の気分循環性障害などに分類されます。軽躁状態を確認するのは難しいのですが、普段とは明らかに違った状態が続いているということで診断できます。

躁状態では、機嫌もよく非常に活動的でたくさん話をする一方、怒りっぽくもなります。気持ちは高揚していますが、決してハッピーな気分ではないといわれます。

うつ状態では、眠れず、やる気が出なくなり、躁状態とは対極的な症状を示します。自殺願望が出やすいので周囲の配慮が必要です。

【症状】

  • 気分(感情):抑うつ、悲哀感、不安、焦燥感
  • 意欲:意欲低下(精神運動抑制)
  • 思考の量的異常:低下(思考制止)
  • 思考の質的異常:悲観的、自責的、劣等感、自殺念慮、自殺企図
  • 身体:不眠(早期覚醒)、過眠、食欲不振、体重減少、頭重、肩こり
  • 病識:ある
  • 日内変動:ある(午前中に悪い)

【原因】

  • 遺伝的要因:未解明
  • アミン系神経伝達物質の異常や性格因子
  • 環境要因:仕事や家庭での変化

【治療】

双極性障害の治療は、躁状態もうつ状態も、基本は気分安定薬です。躁状態の薬の補助として抗精神病薬を併用することもあります。うつ状態と躁状態が何度も現れる場合、完治は難しいといわれますが、薬で再発を予防しながら長期的な治療を続けることで日常生活を送ることは可能です。

躁病とは?

「躁病」とは、気分が異常に高揚し、開放的になったり怒りっぽくなったりする状態が続く精神疾患のことですが、双極性障害(躁うつ病)の躁状態のことを指して使われることも多くあります。うつ状態を伴わず躁状態だけが繰り返し現れるケースも珍しくありません。一般に躁状態が4日間以上続く場合は軽躁、1週間以上続く場合は躁病と診断されます。

【症状】

  • 気分(感情):爽快感、易怒的、攻撃的
  • 意欲:意欲亢進、多弁、多動
  • 思考の量的異常:増加(観念奔逸)
  • 思考の質的異常:誇大的、万能感
  • 身体:不眠(睡眠時間短縮)
  • 病識:なし
  • 日内変動:なし

【原因】

  • 遺伝的要因は未定
  • アミン系神経伝達物質の異常や性格因子
  • 環境要因:仕事、家庭での変化

気分変調症とはどのような症状の病気なのか?

気分変調症とは、比較的軽度のうつ状態が長く続く病気です。持続性抑うつ障害とも呼ばれ、うつ状態が、1日中ある日が多く、少なくとも2年間続いている状態です。

かつては「抑うつ神経症」とか「神経症うつ病」と呼ばれていた病気ですが、気分変調症という考え方が広がったことから、患者さんが増えているといわれます。まだまだ気のせいだと思い込み、受診していない人も多くいると考えられています。

治療は、抗うつ薬による薬物治療を中心に精神療法も並行して行います。

まとめ

今回はうつ病や躁うつ病などの気分障害について解説いたしました。いずれの症状の場合でも、快方に向かわせるためには、生活のストレスを減らし、規則正しい生活を送ることが大切です。うつ状態からの回復期には自殺企図もあるので、見守りを欠かさないようにしましょう。また、高齢者の気分障害のケースでは、意欲低下や思考制止などの精神症状が現れにくく、認知症と間違えられる(仮性認知症)ことも多いので注意が必要です。

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