インフルエンザの症状や予防接種の受け方は?対策や治療方法は?

インフルエンザは、世界各地で毎年発生する「流行性感冒」です。「インフルエンザ」の語源はイタリア語の”influenza”(英語ではinfluence)で、16世紀のイタリアで当時の占星術師らが毎年流行する感冒を天体の運行や寒気などの影響と考え、この流行性感冒の病名を「影響」を意味する”influenza”と名付けたとされています。今回は16世紀から現代まで毎年流行し続ける「インフルエンザ」について解説いたします。

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インフルエンザとはどのような症状の病気なのか?

インフルエンザはかぜ症候群のひとつで、インフルエンザウイルスによって起こるウイルス性の呼吸器感染症です。人から人への感染力が強く、流行を起こすことから「流行性感冒」ともよばれます。全身症状が強いのが特徴です。1〜3日の潜伏期を経て、寒けや悪寒をともなう38〜40℃の高熱、全身のだるさなどが急激に現れます。

その後、関節痛や筋肉痛に加え、鼻水や喉の痛み、くしゃみや咳などの呼吸器症状、吐き気や下痢などの消化器症状も現れ、体力が急激に低下し、多くの場合は寝込むようになります。目の充血やリンパの腫れ、気管支炎などが現れることもあります。呼吸器以外に感染すると重い症状を引き起こします。

合併症がない場合はほとんどの症状が2〜3日で治まりますが、熱は5日程度、咳は10日以上続くこともあります。登校や就業が制限されることもあります。

また、気道の炎症が治まり、体力が回復するまでにはさらに1〜3週間程度かかる場合があります。発症後の症状や経過は感染した人の状態に左右される部分が大きく、乳幼児や高齢者、呼吸器や心臓の慢性的な疾患がある人では重症化しやすく、熱性の痙攣が起こるなど入院が必要となることもあります。肺炎や脳炎などをともなうと重篤化し、死に至ることもあります。

インフルエンザ はこうしてうつる

インフルエンザは、感染した人のくしゃみや咳で飛び散った飛沫を吸い込んだり触れたりすることで感染します。一度に多くの人へと感染して、北半球では晩秋から初冬にはじまり、冬にかけて流行します。流行の規模によっては、学校の休校や学校閉鎖、職場での欠勤指導などが必要となります。

インフルエンザウイルスは、表面にあるHA、NAという2種類のタンパク質の突起が、ヒトの免疫機構から生き延びるために毎年わずかに変異して新たなウイルスとなって猛威を振るうのです。インフルエンザが絶えることなく毎年流行するのはこのためです。

インフルエンザウイルスにはA、B、C型があり、それぞれに多くの亜型と異なる株が存在しますが、C型が問題になることはほとんどありません。特にA型インフルエンザは流行ごとに変異を繰り返し、数十年に一度、世界的な大流行を起こします。変異を繰り返すため、再感染が多いのもA型インフルエンザウイルスの特徴です。

インフルエンザは症状からだけでは型を診断することはできません。診断キットなどを用いても検査の精度は不十分で、インフルエンザを否定することや、治癒したことを検査では証明することはできません。

インフルエンザの種類

性質 流行の傾向 その他の特徴
A型 非常に変異しやすく、表面の構造によって144種類の亜型が存在する可能性がある。  人から人への感染を起こしやすく、毎年流行するほか、亜型の発生によって数十年に一度の爆発的な大流行がある。 インフルエンザ全体の約6割を占める。細菌性の肺炎を併発する可能性が高いため、高齢者は死亡する場合も。
B型 変異しにくく、山形型、ビクトリア型の2種類の型がある。  2年に1度程度の小旅行を繰り返す。 A型に類似し、脳症など重篤な合併症を引き起こすこともある。

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インフルエンザの予防接種の受け方

インフルエンザは、幼児から高齢者まで幅広い年齢層に流行する呼吸器感染症です。

予防接種は任意接種になり、インフルエンザが流行する前に個人や企業内の福利厚生などで受けます。

ワクチン接種をしたからといって、残念ながら完全に感染が予防できるわけではありません。予防接種をした型と違うインフルエンザにかかってしまったり、感染力が強いので同じ型の予防接種をしても発病してしまったりすることがあります。不活化ワクチンは、1回目の接種後に1~4週間空けて2回目を接種します。

注射したあとに腫れが見られる程度で、副反応はほとんどありません。ワクチンに卵が使われているので、卵アレルギーの人は受ける前にかかりつけの医師によく相談してください。

インフルエンザワクチンの種類はどのように決定されるのか?

どのインフルエンザウイルスが流行するかは、毎年、2月にWHO( World Health Organization)の会議で専門家によって分析・予測され決定されます。それに基づいて各国の当局は、自国でのサーベイランス(感染症の蔓延と予防に役立てる システム)の結果を加味して、自国で製造するワクチンの型を決定する仕組みになっています。

日本では、厚労省健康局から国立感染症研究所が依頼を受け、国内サーベイランスの結果と、WHOの推奨株等を総合的に検討し、年度末までに次年度のワクチン株を選定し、厚生労働省が決定・通達をしています。

インフルエンザにかからないための対策やかかってしまった時の治療方法

インフルエンザの感染前の予防には予防接種が行われますが、発症後は安静を保ちながら対症療法を行います。

具体的には、

  • 熱や痛みに対する解熱薬(アセトアミノフェンなど)
  • 咳やのどの痛みに対する鎮咳去痰薬(ちんがいきょたんやく)や気管支拡張薬
  • 下痢や吐き気に対する整腸薬や止痢薬(しりやく)
  • 二次的な細菌感染症がある場合は抗菌薬

などを使います。また、

  • 脱水症状に対する補液

を行う場合もあります。なお、非ステロイド系抗炎症薬はインフルエンザ脳症との関連が疑われているため、小児の使用は避けるべきとされています。

インフルエンザウイルスは、感染後2〜3日かけて人の体内で爆発的に増殖した後に増加時と同様のスピードで減少し、感染後6日程度で体内からはほとんどいなくなります。そのため基礎疾患に応じて、感染初期(発症2日以内)には、

  • 抗ウイルス薬(A型に効果があるアマンタジン、A、B型共通のオセルタミビルやザナミビル、ラニナビルなど)

による治療が行われる場合もあります。予防には手洗いやワクチンが最も重要です。空気の乾燥も大敵ですので、ウイルスが空気中に存在しにくくなる

  • 湿度50〜60%

を目安に、加湿器などで室内や家屋内の湿度をコントロールするようにすると効果が期待できるでしょう。

まとめ

今回はインフルエンザの症状や予防接種などについて解説いたしました。対策としてはうがいや手洗いの励行と予防接種が最も肝心です。年齢を問わず感染し、乳幼児や高齢者などでは重症化するケースもありますので、流行の季節には万全な対策をとって、できる限り感染を防ぐように心がけてください。

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