肌と水分量に関する誤解とは?代謝の促進や与えすぎると?汗と水分の関係は?

 

美容への意識が高い人の中には、肌の水分量を高めるために水をたくさん飲むことが効果的だと考えている方もおられると思いますが、残念ながら飲んで水分を補給することと肌の水分量が増えることはほとんど無関係です。今回は肌と水分の関係について解説いたします。

肌と水分量の関係を正しく理解しましょう

水を飲むことで、肌に水分が行き渡って潤いのある肌になるようなイメージは誰もが思い描きがちですが、これは全くの俗説です。汗をかくことによって毒素が出て肌がきれいになるというようなこともありません。

水を飲んで汗を出せば毛穴の掃除になると考えて半身浴などする人がいますが、科学的には根拠はありません。というのも、毛穴は皮脂腺であり、汗を出す汗腺とは別の穴だからです。

つまり、水分を摂ったからといって、肌の美容に効果があるという説には何も因果関係はありません。

肌の水分量を増やすには、日々の食事によって水分を高めていくことが必要です。水分量アップには炭水化物、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルの5大栄養素をバランスよく摂取し、さらに水分量を上げる効果が期待できるセラミドを含んだ食べ物を積極的に摂り入れるようにすると良いでしょう。



 

肌の代謝を促進することと水分を摂ることは無関係

また、肌の代謝と水分代謝を混同している人もいます。「シミができやすいのは肌代謝が悪いからでは?」と悩む人がいますが、それは正しいのですが、その解決策として水を飲むということは無関係です。

肌の代謝はターンオーバー、つまり表皮細胞の生まれ変わりです。このサイクルは20代の頃には約4週間ですが、40代になると6週間ほどかかるようになってしまうと言われています。このようにターンオーバーが低下してしまう原因は、おもに成長ホルモンが減ることや血行が悪くなることなどです。水分を摂取することとは直接関係はありません。水を飲んでも肌代謝は上がりません。肌代謝を上げたいのであれば、ピーリングが非常に有効です。

毛穴に溜まった汚れも体に溜まった毒素も体脂肪も、何でも水分が洗い流してくれるように考えてしまいがちですが、人間の身体は残念ながらそう単純にはできていないのです。

肌に水分を与えすぎると起こる健康被害

水はどんなにたくさん飲んでも大丈夫なのでしょうか?栄養価があるわけでもないので、水はいくら飲んでも無害だと考えがちですが実はそうでもありません。

水分は余分に飲んでも排泄されるから平気なのではないか?と思いがちですが、それはある程度の量までです。尿から排泄できる量には限界がありますので、過剰に飲みすぎると排泄しきれずに体に溜まり、むくみや冷えの原因につながります。つまり、水分をたくさん摂ることは、代謝アップどころか代謝ダウンを引き起こしてしまうのです。

また、水分を摂りすぎると胃液が薄まって、胃もたれや吐き気の原因になることがあります。
ただし、高齢になると喉が渇いたという感覚が鈍くなるので、ある程度意識して飲んだほうがよいという場合もあります。

水分を適量摂れているかどうかは、尿の状態で測ると良いでしょう。尿量の基準は、回数では1日に6〜8回程度の排尿があること、1回の尿量が200ml以上あること、というのがひとつの目安です。また、尿の色が濃ければ脱水気味ですので注意しましょう。反対に薄い尿が頻繁に出るときは、水分の摂り過ぎが考えられますので注意が必要です。1日の平均尿量は1〜1.5Lで、汗の総量とほぼ同じと言われています。ただし、適正な尿量には個人差がありますので、高齢の方や心臓、腎臓などに病気がある方は、医師に自分の目安をたずねてみることをおすすめいたします。

汗を出すためにも水は飲んだほうがいいの?

水をたくさん飲んだからといって汗の量は増えません。水を飲むと増えるのは尿量で、汗が増えるわけではないのです。あくまでも汗は主に体温調節のためにあるのです。汗は暑い時にはたくさん出ますし、また緊張で出る人もいます。

汗をダラダラかいている人を見たときに「暑いのかな?」「緊張しているのかな?」と思うことはあっても「この人、さっき水飲んだのかな?」と連想する人はあまりいないでしょう。でも、一緒にいるお友達が頻繁にトイレに行ったら「水分摂りすぎなのでは?」と思うでしょう。このことからもわかるように、水をたくさん飲むと増えるのは尿量であって汗ではないのです。

汗を出すこと美容上のメリットはあまりありませんが、それでも汗を流したいという人は、運動をして汗をかく訓練をすると良いでしょう。少なくとも水をたくさん飲むという行為は、汗出しの訓練にはなりません。ただし、もちろん運動中の水分補給は積極的に行なう必要はあります。

サウナやスポーツのあとのビールが好きな方も多いかと思いますが、アルコールは代謝される時に水を呼び込むので、身体をかえって脱水症状に導きます。喉が渇いた時のアルコールは脱水を招いて危険なので、少し水を飲んでからにしましょう。

まとめ

今回は肌の美容と水分の関係について解説いたしました。水を飲めば肌の美容に効果がある、ということはありません。水を飲んでも肌がその水分を溜め込むわけではありませんし、汗として毒素が排出されるということもないのです。水分量を増やしても増えるのは汗ではなく尿量だということです。肌の水分量を上げるのは一朝一夕に叶うものではありませんので、日々の食生活によってセラミドなどをバランスよく摂り入れていくのが良いでしょう。