逆流性食道炎

逆流性食道炎(または胃食道逆流症)は食道に逆流した胃酸などによって起こる食道の炎症です。長期化すると食道がんにも繋がりかねないため注意が必要な疾患です。今回は逆流性食道炎について解説いたします。

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逆流性食道炎とはどのような症状の病気なのか?

逆流性食道炎は、強い酸性の胃酸や十二指腸液が食道に逆流し、食道に炎症が起きる病気です。発症するとひどい胸焼けを感じます。胃の内容物の逆流によって、内視鏡検査で下部食道粘膜にただれや潰瘍が認められると逆流性食道炎と診断されます。

発症の割合としては40~60歳の肥満傾向のある男性、60歳以上で腰が曲がり背中が円くなった女性に多くみられる傾向があります。

悪化すると、食道が狭くなり(食道狭窄)、食べ物が通りにくくなったり、炎症を起こしている部分が出血して吐血や貧血を起こしたりすることもあります。

さらに食道炎が長期化すると、食道壁と胃壁の接合部で、胃の粘膜細胞である円柱上皮がせりあがって食道の粘膜細胞である扁平上皮と置き換わってしまうバレット食道になることがあります。バレット食道は、食道がん(食道腺癌)の主要原因です。

また、逆流性食道炎が、声がれ(嗄声:させい)、喘息、慢性の咳の原因になることもわかっています。

【逆流性食道炎の症状】

  • 胸やけ:胸が焼けるような不快感。前かがみになると出現することが多い
  • 呑酸:胃酸の出すぎ、逆流によって酸っぱい液体が口まで上がってげっぷが出る
  • 食べものが飲み込みにくい
  • 声がれ(嗄声)
  • 胸の痛み
  • 腹部膨満感:おなかが膨れる感じ
  • 喉の違和感:喉がヒリヒリする感じ

※胸焼けの症状が強いのに内視鏡検査をしても炎症がみられないものは非びらん性胃食道逆流症と呼ばれます。

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逆流性食道炎とはどのような原因で発症するのか?

逆流性食道炎の原因でもっとも多いのは、肥満や妊娠や便秘です。これらは、腹圧(腹筋と横隔膜の収縮によって生じる腹腔内の圧力)を上昇させ、胃の内容物の逆流を引き起こします。

加齢により、胃と食道の間の筋力が弱まることも大きな原因です。背骨が曲がると下部食道括約筋が緩むので、胃の中の圧力が高くなり、逆流を起こしやすくなります。また、加齢によって食道の蠕動運動や唾液の分泌が低下すると、逆流した胃液を胃に戻すことができなくなります。

脂肪分の摂りすぎも下部食道括約筋を緩めるので、胃液を食道に逆流させることがあります。たんぱく質も胃に長時間とどまるため、摂りすぎると胃液を食道に逆流させます。

カルシウム拮抗薬(狭心症や高血圧の薬)の服用、食道裂孔ヘルニアをもつ人、ピロリ菌を除菌した人、胃を手術した人も逆流性食道炎を起こしやすいといえます。

【逆流性食道炎の原因】

  • 下部食道括約筋の機能低下
  • ストレス
  • 胃内圧の上昇:過食、腹部しめつけ、前屈姿勢、肥満などによります
  • 飲酒、喫煙
  • 高たんぱく食、高脂質食

逆流性食道炎の治療法は?

逆流性食道炎の治療には、胃酸分泌抑制薬などの服用と同時に生活習慣の改善が必要です。食後2~3時間は横にならないこと、前屈姿勢をとらない、寝るときに上半身を高くする、腹部を締め付けないことなどに気をつけ、コーヒーなどの刺激物、喫煙、過度の飲酒は避けるようにしましょう。

何度も再発する場合や食道狭窄が強い場合は、内視鏡下や腹腔鏡下、開腹などによる手術を行うことがあります。

薬の服用により、短期間で自覚症状はなくなりますが、食道の炎症が残っていることがあります。再発することも多いので、継続的な治療が行われます。

【避けたい食事や習慣】

  • カフェインが強いコーヒーや緑茶
  • 脂質やたんぱく質を多く含む食べもの
  • 酸味の強い果物
  • チョコレートやケーキなど甘いもの
  • 香辛料などの刺激物
  • 過食、胃に負担がかかるような食事
  • 飲酒
  • 喫煙

【逆流性食道炎の治療】

  • 薬物療法:おもな治療法は、胃酸の分泌を抑える薬の服用です。食道粘膜を保護する薬や、胃酸を中和する薬を併用することもあります

まとめ

今回は逆流性食道炎について解説いたしました。40~60歳の肥満傾向のある男性の方や、60歳以上で腰が曲がり前傾気味な姿勢がちな女性の方などで、胸焼けをすることが多いと感じた場合は、この病気の可能性を疑い、専門医を受診するようにしましょう。

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