猫が暇さえあれば毛づくろいをするのはなぜ?意味やしすぎの時の注意点

飼い猫を観察していると、暇さえあれば自分の体をペロペロと舐めて毛づくろい(グルーミング)をしていますよね。なぜ、あれほどしょっちゅう毛づくろいをするのでしょうか?少なくともかなりのきれい好きであることは間違いなさそうですが、どうやら毛づくろいには他にも様々な役目があるようです。今回は猫の毛づくろいについて解説いたします。

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猫がしょっちゅう毛づくろいをしているのはなぜ?

毛づくろいの秘密に迫る前に、猫の被毛の役割について説明いたします。

猫の被毛は、ひとつの毛穴から1本の長く太い毛(主毛)と、それよりも短くて細い数本の毛(副毛)が密集して生えています。長い主毛には水をはじき、紫外線をブロックする機能があります。細くやわらかい副毛は、軽いウェーブがかかっていて毛の間にたくさんの空気を含むことができるので保温効果に優れています。暑いときには外からの熱を防ぐ断熱材の役割を果たします。ネコはこの密集した被毛によって、雨、紫外線、寒さ、暑さなど、外のさまざまな刺激から皮膚を守っているのです。

主毛は水をはじき、紫外線をブロックして雨や陽射しから皮膚を守っています。また、毛色は主毛の色で決まります。

副毛は毛の間に多くの空気を含み、暑いときは外からの熱を防ぐ断熱材、寒いときは保温材として機能します。

ひとつの毛穴から1本の主毛と数本の副毛が密集して生えているためクッション性が高く、外からの衝撃をある程度やわらげます。

このような働きを持つ全身の被毛の手入れが毛づくろいです。その最大の目的はもちろん、被毛の毛並みを整え皮膚を清潔に保つ役割です。小さな乳状突起のあるザラザラした舌で毛をきれいにとかし、抜け毛や古い毛や毛玉やゴミ、皮膚の汚れや外部寄生虫などを取り除き、前述の被毛の機能を保つのです。

また、毛づくろいはやみくもに行なうのではなく順番があります。基本は前から後ろです。まずは、口や鼻、そして手を舌でベロペロとなめてきれいにします。指と指の間も念入りにきれいにします。ネコの爪は鞘(さや)が何枚も重なったような構造になっていますが、外側のはがれ落ちそうになった古い鞘を前歯で取り除くこともあります。

次に、なめて唾液で湿らせた手の内側を使って、顔や耳の後ろまできれいにします。右手、左手と交互に行い、それが終われば、座ったり横になったポーズで、前足、肩、胸、横腹をきれいにし、最後にお腹、おしり、後肢や尻尾も前方に伸ばしてきれいに毛づくろいします。毛玉ができていたり、うまく取れない部分は前歯(切歯)を使って噛むこともあります。後ろ足で耳の後ろなどを掻くこともあります。

①顔周り・指の間

前足の内側をなめて湿らせ、耳から顔にかけてこすります。

②体周り

前足と肩、脇腹をなめ、さらに体をひねって背中の毛もなめます。

③おしり周り

後ろ足を上げて生殖器や肛門をなめ、腰、後ろ足、しっぽもなめます。

子ネコは生後3週間ぐらいから徐々に毛づくろいするようになり、6週間ぐらいになれば、自分で上手にできるようになります。毛づくろいするときのポーズや時間、念入りに行なう体の部分はネコ1匹1匹に個性がありますが、平均するとメスネコのほうがオスネコよりも時間が長いようです。

また、ごはんを食べた後や睡眠の前後に、よく毛づくろいします。普段よりもおいしいものを食べた後は、口の周りや顔の毛づくろいをより丹念にするという報告もあります。

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猫の毛づくろいの意味や役割

毛づくろいは被毛や皮膚を清潔に保つことが最大の目的と述べましたが、他にも様々な役割があります。

2つ目の役割として「体温調節」が挙げられます。きれいに手入れされた毛は、寒い冬、毛の間に空気を含むことで保温効果が保たれます。一方、暑い夏には、舐めた唾液が蒸散することで冷却効果が生じます。人のように全身で汗をかいて体温調節ができないからです。ネコの祖先が、もともと気温の高いエジプトの砂漠地帯で生活していたことを考えれば、毛づくろいをして体温を下げることは、ネコが生きていくために欠かせない作業だったといえるでしよう。

3つ目の役割は、舐めることで皮膚の皮脂腺を刺激し、皮脂の分泌を調節する役割です。分泌された脂分は水分をはじいて水に濡れるのを防ぎ、皮膚を保護します。また、分泌された皮脂分によって、アイデンティティーともいえる自分のにおいを常に保つことができます。ネコが顔、手足の裏、尻尾の付け根や肝門の周囲などにある分泌腺から、においのする物質(フェロモン)を分泌していることは解説しました、毛づくろいすることによって体中にフェロモンのにおいが広がります。

4つ目の役割は、マッサージ効果で皮膚の血行をよくしたり緊張をほぐし気持ちを落ち着けるということです。たとえば着地に失敗したり、飼い主に怒られたときなど、ネコが突然毛づくろいを始めることがあります。これは、人がバツの悪いときに頭をかいたりする動作に似ています。また、ネコ同士やネコと飼い主の相互グルーミングは、仲間のにおいを共有して絆を深める意味があります。

5つ目の役割は、狩りに備えて全身の感覚を研ぎ澄ませておく、獲物に察知されないように体をなめてにおいを消すという意味があります。

きれい好きなネコや、そうでないネコもいるので一概にはいえませんが、ネコは起きている時間の10〜30%を、毛づくろい(グルーミング)に費やすといわれています。ネコが毛づくろいに余念がないのは、たくさんの役割があるからです。

毛づくろいの意味や役割

  • 被毛を清潔に保つ
  • 暑い時に気化熱で体温を低下させる
  • 皮脂の分泌の調節
  • マッサージ効果やリラックス効果
  • 狩猟に備えてニオイを消す

猫が毛づくろいをしすぎな時の注意点

ネコは皮膚がかゆかったり、なんらかの違和感(痛みなど)があれば、必然的に皮膚をなめるので、毛づくろいの時間が長くなります。アレルギー性皮膚炎、寄生虫やカビなどによる皮膚疾患をはじめ、さまざまな身体疾患が原因のこともあります。

ところが、これといった理由もないのに、毛が抜けたり、皮膚が炎症を起こすまで、執拗に舐め続ける場合は、退屈すぎたり、欲求不満があったり、なんらかの精神的ストレスが原因の心因性であることも考えられます。

反対に、病気やケガなどで体の具合が悪い時は、いままでよく毛づくろいしていたのに、あまりしなくなることもあります。

毛づくろいは、ネコの心身の健康状態を示すバロメーターといえますので、飼い主さんはよく観察し、異変がある時はすぐに気づけるようになりましょう。

まとめ

今回は猫の毛づくろいについて解説いたしました。忙しく自分の身体をペロペロ舐める行為には、体を清潔に保つなどの目的の他にもたくさんの役割があり、また頻度に変化があれば健康のバロメーターにもなるのです。飼い主さんは猫ちゃんのグルーミングを日頃からしっかり観察するようにしましょう。

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