人参の栄養成分や健康効果と抗がん作用を活かす効率的な食べ方

人参は数ある野菜の中でもβ-カロテンをダントツに多く含む野菜です。このβ-カロテンは非常に抗がん作用が高い栄養素ですが、近年ではよりがん抑制効果が高いα-カロテンも含まれていることが知られてきました。今回はオレンジ色の野菜の代表「ニンジン」について解説いたします。

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人参に含まれる栄養成分

ニンジンの成分と効用

栄養素 はたらき
β-カロテン がんの予防
粘膜を正常に保つ
抗酸化作用
クロロフィル がんの予防
食物繊維 便秘の予防・改善
がんの予防
カリウム 血圧を下げる
ビタミンC がんの予防
抗酸化作用
ビタミンE がんの予防
 抗酸化作用
アスパラギン 体力増強
ステロール がん・腫瘍の抑制
テルペン がんの予防
ビタミンC 細菌・ウィルスへの抵抗力をつける

ニンジン(生)30g中の主な栄養成分

※常用量30g=1/5本の栄養成分値

栄養素 含有量
β-カロテン  2730μg(2.73mg)
ビタミンC  1.2mg
ビタミンE 0.15mg
食物繊維 0.81g

ニンジンには緑黄色野菜の中でもカロテンが断然多く含まれています。β-カロテンとα-カロテンの比率は約3:1の割合となっています。その他にもクロロフィル、ビタミンB1、B12、C、D、E、K、アスパラギン、食物繊維のリグニン、ペクチンも豊富です。葉のほうがβ-カロテン、ビタミンCを多く含んでいます 。

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人参に含まれる栄養成分の健康効果や効能

β-カロテン

活性酸素を無毒化してくれる

カロテンは、緑黄色野菜や果物に豊富に含まれている黄色、オレンジ、赤色などの鮮やかな天然色素の総称です。現在確認されているだけでも、自然界には600種類以上のカロテンがありますが、このうち私たちが日常的に摂取している食物中に含まれているのは40〜50種類ぐらいです。

カロテンには、がんの発生や進行を抑える働きがあります。体内に活性酸素(※)が増えすぎると、細胞が酸化して傷つき、がんが発生するきっかけとなります。カロテンには、この活性酸素による細胞の損傷を防ぐ作用(抗酸化作用)があるのです。

にんじんには多種類のカロテンが含まれていますが、特に豊富なのはβ-カロテンとα-カロテンです。一般によく知られているのはβ-カロテンですが、最近ではα-カロテンのほうが、よりガンを抑制する効果が高いことが分かってきています。

テルペン、ステロール

抗酸化作用でがんの発生を防ぐ

ニンジンにはβ-ベータカロテン以外にも様々な成分が含まれています。

このうち、香りや苦味の成分であるテルペンにも、発ガン物質を解毒したり、発ガン遺伝子の働きを抑制するなど、癌の発生を抑える働きがあることが最近わかっています。また、ステロールという化合物にも、がんの発生を抑える作用があることが確認されています。

(※)活性酸素とは?

鉄のフライパンは時間とともに少しずつ錆びていきます。これは鉄が酸素に反応し、赤サビという物質に変化するためです。このような現象を酸化といいます。

実は人間の体も歳を重ねるごとに酸化が進んでいきます。人間に起こる酸化は細胞が傷害されることを意味します。

細胞を傷害するのは酸素が体内で利用される過程で変化した「活性酸素」という物質です。活性酸素は、通常の酸素よりも物質を酸化させる力が強く、細胞に様々な悪さを働くのです。

最近この活性酸素によって、がんや動脈硬化などが引き起こされることがわかってきています。

そこで注目されているのが抗酸化物質です。抗酸化物質は活性酸素を除去して、細胞の酸化を防ぐ作用がある化学物質で、人参に含まれているβ-カロテンもその一つなのです。

 人参の栄養成分を損なわない食べ方

油との組み合わせで吸収率がアップ

β-カロテンが多く含まれているのは、にんじんの皮の部分なので、むかずにそのまま食べるか、包丁の背で軽くそぎ落とす程度にして厚くむかないようにします。

β-ベータカロテンを効率よく摂るには油で調理するのがベストです。油に溶けやすく水には溶けにくいという性質があるからです。にんじんのβ-カロテン吸収率は、生のままでは8%、煮ても20〜30%にしか過ぎませんが、油で炒めると60〜70%と吸収率がグンとアップします。

人参をかき揚げにしたり、バターを使ってグラッセ(※)にし、肉料理などに添えてみるのも良いでしょう。臭みが苦手なら牛乳で茹でてバターで味付けをしましょう。

サラダや野菜スティックなど、生のままで食べる時はオイルドレッシングやマヨネーズをかけると吸収率が高まります。ただし、酢を大量に使うと逆にβ-カロテンを破壊してしまいます。また、人参ジュースだけではβ-カロテンがほとんど吸収されないので、オリーブオイルを少し垂らして飲むと良いでしょう。

さらに、大根と人参をすりおろした、もみじおろしのように、にんじんを他の野菜と一緒に生で食べるのは好ましくありません。人参にはアスコルビナーゼというビタミンCを破壊する酵素が含まれているからです。これを防ぐには、もみじおろしに酢やレモン汁を数滴たらすと良いでしょう。

理想的な摂取量は1日1本

β-カロテンの所要量は、1日あたり5〜6mgとされています。それに対して日本人の摂取量は1日あたり平均3.24mgです。これは、中くらいサイズの人参1/3本(約200g)を油で炒めて食べた量に相当します。所要量を満たすには1日1本を目標にすると良いでしょう。

β-カロテンは過剰症の心配はないので、摂り過ぎたとしても問題ありません。

(※)にんじんグラッセの作り方
①ニンジン1本は包丁の背で皮をこそげて、4cmほどの長さに切ります。面取りをすると煮崩れしません。
②風味が良いのはバターですが、動物性脂肪を控えたい時はサラダ油かオリーブオイル大さじ1で炒めます。水カップ1を加え、やわらかくなるまで煮ます。
③やわらかくなったら、砂糖、塩、コショウで好みに味つけをします。

まとめ

今回は人参の栄養成分や効果的な食べ方を紹介いたしました。健康面を考えるなら毎日摂取したい緑黄色野菜ですが、中でもカロテン豊富な人参は油料理で意識的に食べていくようにしましょう。

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