発がん物質を含む食べ物

がんの発生には食生活が大きな影響を与えていますが、食べ物自体の中にも、発がん物質が含まれているという報告があります。現代の食生活は、世界中のあらゆる食べ物が簡単に手に入りますが、そのぶん危険も多いといえるでしょう。安全な食生活を送る上で、これらの知識を持つことは重要です。今回は食品に含まれる発がん物質について解説いたします。

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発がん物質を含む食べ物

食べ物の発がん物質には3つの種類があります。

食べ物の中に含まれる発がん物質は、食品そのものに含まれているものもあれば、製造過程や調理などで発生するものもあります。これらは次の3つの種類に分けられます。

  • 自然の食品に含まれているもの
  • ある条件下で発生するもの
  • 食品添加物に含まれているもの

以上の種類を知っておきましょう。

食べ物に含まれる発がん物質

発がん物質 含まれる食品
自然の食品に
含まれるもの 
サイカシン ソテツ
プタキロサイド ワラビ
ソラレン パセリ、セロリ
発がん性アルカロイド フキノトウ、
フキタンポポ、
ヒレハリソウ
ヒドラジン誘導体 マッシュルーム
コーヒー酸(カフェ酸) コーヒー
ある条件下で
食品に発生するもの
アフラトキシン カビの生えたピーナッツ
ニトロソアミン 汚染ハム、ベーコンなど
ヘテロサイクリックアミン類 肉、魚など
ベンゾ[a]ピレン カツオブシ、燻製肉など
食品添加物に
含まれているもの
防カビ剤 オレンジ、レモンなど
合成酸化防止剤 油脂、バターなど
合成着色料 菓子、ジャムなど
人工甘味料
殺菌料

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発がん物質が体に及ぼす作用

自然の食品に含まれている発がん物質

自然の食品の中にも、たくさんの発がん物質があります。特に、山菜などの植物に含まれています。しかし、危険性はそれほど高いものではありません。

サイカシン

ソテツの実に含まれ、食べると腸内細菌によって発がん性を持つメチルアゾキシメタノールになります。ソテツは、でんぷんや味噌の材料に使われています。

サイカシンは肝臓や腎臓や大腸に腫瘍をつくるといわれていますが、加工の際に分解され、発がん性を失います。

プタキロサイド

山菜のワラビに含まれる発がん物質で、若いワラビに多く含まれます。ヨーロッパでは牛がワラビを食べすぎるとワラビ中毒を起こすことが知られていました。ワラビを多く食べる地域では、食道がんの発生率が高いことがわかっています。

ソラレン

パセリやセロリなどに含まれます。これらを食べたあとに紫外線を浴びると炎症を起こす可能性があり、また、ガンを誘発する作用もあります。

発がん性アルカロイド

マメ科、ムラサキ科、キク科などの植物に含まれています。フキノトウ、フキタンポポ、ヒレハリソウなどには、ペンタテニン、センキルキン、シムフィチンなどの発がん性アルカロイドが含まれており、肝臓がんの原因になるといわれています。

その他の発がん物質

そのほかにも、マッシュルームにはヒドラジン誘導体、コーヒーにもコーヒー酸(カフェ酸)という発がん物質が含まれていることがわかっています。コーヒーにはクロロゲン酸などのフェノール系物質が善玉として働くので、トータルとしては、がんを抑制すると考えられています。また、栄養状態が悪かったり、ヨウ素(ヨード)が不足している人が、キャベツやブロッコリーなどのアブラナ科の野菜をたくさん食べると甲状腺に腫瘍ができる原因となります。

発がん物質が後天的に生成される食品や中毒の危険がある食べ物

野菜の中毒にも気をつけよう

発がん物質ではなくても、食べ方に注意しなければならない野菜があります。

例えば、ジャガイモの芽にはソラニンという物質が含まれており、これを食べてしまうと、下痢や嘔吐、しびれを起こします。芽が出ていたら、皮をむくときに深くえぐり取りましょう。

ほかにも、ぎんなんを食べずきると中毒を起こすことが知られています。ギンナンには、アルカロイド性の有毒成分が含まれており、嘔吐や消化不良、呼吸困難を起こすことがあります。銀杏を生で食べるのは非常に危険です。食べる際は油漬けにしたり、加熱調理してください。調理済みでも食べすぎは禁物です。1回分としては、大人でも10粒、子供では5粒ぐらいまでにしておきましよう。

ある条件下で食品に発生する発がん物質

もともとの食品に発がん性がなくても、製造過程や調理、保存するときに発がん物質が発生することがあります。

アフラトキシン

ナッツ類に生えるカビに含まれ、発がん性が強く、肝臓がんを引き起こします。

ニトロソアミン

肉や魚を加工するときに、肉や魚のアミンと食品添加物の亜硫酸ナトリウムの反応によって発生したり、唾液中で野菜の硝酸イオンが亜硝酸イオンになり、肉や魚のアミンと胃の中で反応して発生します。いわゆる”食べ合わせ”によって悪い影響が現れるということです。胃がんを引き起こす原因になります。

ヘテロサイクリックアミン類

肉や魚などのたんばく質を多く含む食品を加熱すると、アミノ酸が加熱分解されることによって発生します。したがって、これを完全に取り除くことは不可能です。特に、焦げた部分には大腸がんや肝臓がんを引き起こすトリプP1・P2・グルP1が発生します。

ベンゾ[a]ピレン

魚介類や肉の加工品などに含まれており、遺伝子を傷つけることがわかっています。カツオブシや燻製などの肉や魚介類の加工によって発生します。

食品添加物に含まれている発がん物質

食品添加物は、現在の食生活になくてはならないものになっています。保存や、着色して見た目をよくするために、多くの加工食品に使われます。発がん性が疑われているものには、次のようなものがあります。

防カビ剤

オレンジやレモンなどの柑橘類の腐敗を防ぐためのワックスに含まれています。なかでも、腐敗の大きな原因である白カビの発生を抑えるOPP(オルトフェニルフェノール)は、肝臓がんや膀胱がんの原因になるといわれています。果皮に残ることが多いので、必ず取り除きましょう。

合成酸化防止剤

BHA(プチルヒドロキシアニソール)は胃がんの原因となることがわかり、1982年に使用禁止になりましたが、現在でも油脂やバター、魚介類の冷凍品などに限って使用が認められています。しかし、BHAはとりすぎなければ害になることはないと言われています。

人工甘味料

人工甘味料のサッカリンは膀胱がんの原因となることがわかっており、発がんのプロセスでプロモーターとしての作用があるのではないかと考えられています。最近は安全な甘味料が出てきているので、原材料の表示を確かめましょう。

合成着色料

食用タール色素が代表的で、赤と緑の色素に発がん性があるのではないかといわれています。ジャムなどに使われている赤色2号は、肝臓がんとの関係が疑われています。合成着色料を使って派手な色に着色されたものは避けましょう。

その他

うどんや練り製品の漂白剤として使われる過酸化水素や、パンの製造の加工助剤として使用が認められている、臭素酸カリウムに発がん性が疑われています。どちらも、使用に際しては自粛や法規制が進んでいます。

安全性の高い甘味料

砂糖に代わる安全な甘味料が出てきています。自然素材から精製されており、甘さも砂糖と同じかそれ以上のものもあります。

アスパラテーム

アミノ酸が結合した化学物質で、砂糖の100倍〜200倍の甘さを持っています。

グリチルリチン

甘草の根から抽出された天然の甘味料です。調味料に多く使われています。

ステビア

ステビアの葉から抽出される天然の甘味料です。砂糖の100倍〜150倍の甘さがあります。

キシリトール

白樺などの樹脂から抽出された物質に水素を加えてつくった天然の甘味料です。砂糖に近い甘さを持っています。キシリトールは、虫歯にならない甘味料として広く知られています。

まとめ

今回は食品に含まれる発がん物質についての基礎知識を紹介いたしました。現代の日本の食生活環境の中で完全な安全性を求めることはなかなか難しいかと思いますが、有害物質や、それを含む食品等についての予備知識を持ち、日常的に商品の原材料表示などに注意する習慣をつけることは重要な自己防衛策となります。少しずつでも構わないので、ご自身や家族の食生活をより安全なものに近づけていきたいものですね。

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