アルコール使用障害

適量ならリラックスし、楽しい気分になれるアルコールですが、アルコールによって起こる病気も数多くあります。中でも多いのは、常に飲まずにはいられなくなり、身体や社会生活に支障をきたすアルコール使用障害です。

差別意識や不快感を生まないようにとの考えから、日本精神神経学会が2014年5月にアルコール依存症から「アルコール使用障害」という名称への変更の指針を示しましたが、まだ世間一般には旧名称で認知されていることがほとんどです。

今回はお酒好きの人は要注意の恐ろしい疾患「アルコール使用障害」について解説いたします。

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アルコール依存症改めアルコール使用障害とはどのような症状の病気なのか?

アルコール使用障害は過度な飲酒によって、日常生活に支障をきたす状態です。

アルコールを摂りたいという気持ちが抑えきれなくなり、その結果、仕事よりもアルコールを優先するなど日常生活に支障をきたします。

飲酒回数とアルコール量が増大していき、飲酒を中止すると禁断症状が現れます。具体的には、どうしようもない不安感や眠れないなどの症状があります。ひどい時には指が震えたり痙攣が起こることもあります。アルコールを飲むと治まりますが、再び同じような症状が起こり、だんだんその間隔も狭まり、飲む量も増えていきます。

禁断症状がみられなくても、毎日晩的をしている人などが、その時間になるとどうしても飲まずにはいられなくなる、気がついたら昼間から飲み始めているという場合は使用障害かも知れませんので、注意が必要です。

また、アルコールによって、糖尿病、高血圧、肝臓や膵臓の疾患にかかるリスクも高まります。

【症状】

  • 中枢神経に抑制作用:本能や感情をコントロールしている大脳皮質の麻痺
  • 中毒症状:異常酩酊、意識障害(脳萎縮、認知症症状を伴うことがある)
  • 離脱症状:振戦せん妄(幻視と振戦を伴う夜間せん妄)、アルコール幻覚症(意識障害を伴わない幻聴)、嫉妬妄想、ウェルニッケ脳症(外方に眼を動かせない、歩行失調、意識障害)
  • コルサコフ症候群(記銘障害、失見当、作話)

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アルコール依存症改めアルコール使用障害とはどのような原因で発症するのか?

アルコール使用障害の原因は一にも二にも飲酒をおいて他にありません。当然ですが飲酒をしない人が発症することはありませんし、最善の予防策はお酒を断つことです。

【原因】

  • 飲酒

アルコール依存症改めアルコール使用障害の治療法は?

アルコール使用障害の治療は、患者に強い断酒の意志をもってもらうことから始まります。「否認の病気」ともいわれ、本人は依存症であることを否定し、周囲は性格の問題と決め、早期対応が遅れるという悪循環が生まれがちなので注意したいところです。専門医の受診、治療へ結びつける工夫として、家族や友人など本人にとって重要な人物が複数で話す、非難や批判は避け客観的事実を語る、などが必要です。

当人が受容することができたら次のステップとして、アルコールによって起こる意識障害、精神状態(幻覚、妄想、うつ状態、不眠)の治療を行います。禁断症状にはベンゾジアゼピン系の抗不安薬や睡眠薬が使用されます。アルコールを飲むと気分が悪くなる作用をもつ抗酒薬が使用されることもあります。

また、医療機関での精神療法だけでなく、アルコール使用障害の人たちの自助組織などと連携し、家族も一緒になって治療に携わることが大変効果的です。自助グループへの参加は、仲間とともに断酒の道を歩くことにより、疎外感やストレスから解放され、アルコールなしの新しい生き方を学ぶことが目的になります。

長期間のアルコール摂取で内臓などに負担がかかり病気を起こしている時は、その治療も行います。

まとめ

今回はアルコール使用障害について解説いたしました。治療に当たっては、本人の強い意志と長期間の療養と家族への支援も重要になります。かつては「依存症」と呼ばれていた病気ですので、快方に向かうためには、アルコールへの依存を断ち切るため、本人や支援者が一丸となって戦っていかなくてはなりません。医療機関や自助グループなどと緊密に連携しながら、必ず立ち直って新しい人生をスタートさせてください。

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